彼の作品をひとつ選ぶとなれば、たいていの人は例のデビュー作を挙げるだろうか。最初は、僕もそのつもりだったのです。でもどうも彼の、真面目くさった顔で相手の反応をはかりながら与太を飛ばす、あの屈折した目つきが気になってしまう。だからこの、人を食った作品をあえて代表作としました。これこそ彼の本領なのではと思うのです。