第55話 「月影は星十郎?燃えるまこちゃん」

  竹之内和久演出 脚本 杉原めぐみ  作画監督 伊藤郁子

 次々とパワーアップしていったセーラー戦士達も、残るはまことのみ。この回はまことのパワーアップストーリーです。星十郎が月影のナイトではないかと考え、積極的にアプローチをかけるまことや、それに嫉妬するアンなどが見所。女の子のお弁当にかけた思いがうかがえるほのぼのギャグストーリー。

 ストーリー

 月影のナイトは星十郎ではないかと考えたまことは、星十郎に積極的に接近する。星十郎にお弁当にこもった女の子の思いを教えるまこと。しかし宇宙人エイルである星十郎にはそれが理解できない。そこにエイルとまことが一緒にいることに嫉妬したアンが、攻撃をかけて来た。

 チェックポイント

 かなり強烈なギャグが炸裂しているのが今回。この回の主役はまことのはずなのだが、亜美やうさぎなどの周辺キャラが、かなり強烈なギャグをかましているので、むしろまことが目立たなくなってるぐらい。特に亜美は今までほとんどギャグをしたことがないキャラなのだが、この回は盛大に崩れまくっている。特にサンドイッチを一口で食べてしまった光景は、全国の亜美ファンに衝撃を与えた(笑)。またうさぎに至っては、いやしさ・お下品さが爆発している(今までこんなに弁当をガツ食いするヒロインって存在しただろうか?)。実にキャラクターが生き生きと元気に動き回っているのだが、いささか元気過ぎるのではないかとの批判もあった。

 いろいろなギャグが放り込まれているが、その過程で実はエイル達も食べ物を食べられるのだと分かったのは驚き(笑)。また亜美は日頃から、勉強の邪魔にならないサンドイッチを愛用していることもうかがえる(そもそもサンドイッチというのは、トランプ好きだったサンドイッチ伯爵が、食事中もトランプを中断しなくても済むように作らせたもの)。まことのパワーも炸裂していて、彼女はこれと思った男性にはかなり積極的にアプローチをかけることがうかがえる。それに彼女は世話女房タイプであるということもわかる。このあたりが、結婚するならまこちゃんとと言われる所以である(うさぎと結婚した衛はさぞかし苦労したことだろう(笑))。その一方で、お弁当に込める思いなど、彼女が純な乙女であることも感じさせており、まことファンにとってもたまらないのでは。

 竹之内演出は、今回はドタバタ騒ぎに徹しており、キャラクターの方も思いっきり崩しまくっている。しかしこの回でこれだけキャラクターを崩しまくれるのは、作画がしっかりしているのと、各キャラクターが完成しているからこそ。未完成のキャラクターをここまで崩せば、キャラの方向性が変わってしまって、ストーリーが狂い出す可能性があるが、そうならないのは長期シリーズものの強さ。たまには番外編的おふざけも許されるのである。

 

今回のチェックシーン

亜美「まこちゃんの先輩って、アデューって去っていく人だったの?」

まこと「・・感じが似てるってこと・・」

 亜美とマコトの早朝デートの光景(笑)。亜美のナイスなツッコミにひきつるまこと。

 海野となるちゃんのアツアツの光景。

うさぎ「ここで邪魔をするのは、あまりにも惨めだ。」

 さすがのうさぎも、なるちゃんにお弁当をもらうのはあきらめざるおえなかった。

 笛を吹く銀河星十郎ことエイル。女生徒達はクラクラ。

「でも、音楽好きってとこは、そっくり・・。」

 まこと恒例の「そっくりだ・・」に思わずひきつってしまう亜美。一部には嫉妬という声も(笑)。

「銀河先輩と月影のナイトの関係調べるの、私に任せて!」

 力強い決心のまこと。だから、そんなに強く叩くと亜美ちゃんが壊れちゃうって・・・。

「まこちゃん・・・。」

 まことに思い切り背中を叩かれ、ふらふらになりながら立ち上がる亜美。頭にはなぜか上履きが。そして背中には痛々しい紅葉がついてます。

 星十郎についてコンピュータで分析している亜美。しかしよく見ると、性別のところが女になってます。それは明らかにデータが間違ってると思いますけど、亜美ちゃん。 

 勉強熱心な彼女は、勉強を邪魔されないサンドイッチを愛用。しかしこの時彼女はくつろいでいるのか、このサンドイッチを一口で食べてしまいます。意外と口の大きな亜美ちゃん。

 亜美の弁当をあてにしてやって来たのだが、弁当はもう亜美が食べてしまった後、思わず号泣するうさぎ。

 あまりの事態にうさぎは失神。慌てる亜美。それにしてもなんて食い意地のはったヒロイン・・。

 まこととアンのケンカを尻目に、一人モソモソとまことの弁当を食べていた星十郎だが、思わずのどに詰まらせてしまう。星十郎のピンチ(笑)。

 やっとありついた弁当をがつつくうさぎ。それにしても、こんなに汚い食べ方をするヒロインって、今までいましたっけ?

うさぎ「わたしは?」

ルナ「変身して戦う。」

うさぎ「やっぱり・・・」

 セーラームーンで多用された、頭が平行移動する演出。なかなか笑えます。

 カーディアン・ウトンベリノ。爪楊枝や海苔を武器にするとんでもないやつ。それにこの名前もすごすぎる(のりべんとうの逆読み)。

 弁当箱の恨み。まことのシュープリームサンダー・ドラゴンが炸裂する。

「ビチョコゲ・・」

 レイの手荒な救出で、ズタボロの亜美とうさぎ。この回の亜美ちゃんは最後までボロボロです。

「やっぱり、失恋した先輩にそっくり。」

 毎度毎度のまことの言葉に、思いっきりずっこけてしまうセーラー戦士達。まことのこの病気は、いつまでも治らないようで。

 エイルからアンへの愛の印のお弁当。しかしアンの「でも、これどうすればよろしいの?」は大笑い。ホントにこんなとんでもないもの、どうすればいいんだろう。

 

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