第60話 「天使?悪魔?空から来た謎の少女」

  幾原邦彦演出  脚本 富田祐弘  作画監督 安藤正浩

 セーラームーンR後半、ブラックムーン編に突入です。最初はルベウス(ブラックムーン幹部の中でもっとも嫌な奴と言われている男)率いるあやかしの四姉妹が敵として登場します。またこの回で、このシリーズの鍵となるキャラ、ちびうさが突然登場。うさぎ達を散々かき回すことになります。

 ストーリー

 エイルとアンも去り、衛の記憶も取り戻したうさぎは二人でラブラブ気分でデートをしていた。しかしキスをしていた二人の頭上に突然謎の少女が現れる。「あんた一体どこの子?」と聞くうさぎに、少女は「私はうさぎよ」と答える。しかも慌てるうさぎに対して少女は銃を突き付けて「銀水晶を渡しなさい」と脅しをかける。

 なんとかその場は切り抜けて、ヘトヘトになって家に帰って来たうさぎだが、なんとそこにはさっきの少女がいとこだと名乗って上がり込んでいた。

 チェックポイント

 突然登場のちびうさ。何か大きな謎が隠れているのは匂わせていますが、ほとんど説明はしていません。結局このちびうさの正体がこのシリーズの核になります。またいきなりラブラブで始まったうさぎと衛ですが、この二人の試練もテーマの一つ。この回のラストでタキシード仮面が見たビジョンが伏線になります。

 実質的な新シリーズスタートの回なのですが。内容的にはどちらかと言うと、肩の力の抜けた軽いギャグになってます(おかげでうさぎのおマヌケ顔が非常に多い)。また演出的には真顔でギャグを言うパターン(シリアスギャグ)が2回ほど出て来てます。特に2発目のうさぎの「かかしの四姉妹・・。」はあまりにもシリアスなので、もしかしてアドリブなのでは?という気もするが、それは定かではありません。

 ストーリー的にはちびうさの描写がポイント。いきなり登場した彼女はその目つきの悪さから、「こいつもしかしてかなり嫌な奴じゃないか」と思わせるが、ストーリーが進むにつれて、かなり突っ張ってはいるが実は結構普通の少女であることが描かれていく。実際疎のことは今回のストーリーだけをとっても表現されている。ラストでうさぎと一緒に無邪気に寝ている姿はごく普通の少女である(それにしてもうさぎも中学生にもなってすごい寝相である)。またちびうさの声を演じているのは、無印最終部分で急病になった三石琴乃に変わってうさぎを演じた荒木香恵。そのために「私はうさぎよ」と言うセリフは、そのことに対するパロではないかという説もある。なおここでちびうさを演じたことが、後の彼女のブレイクにつながっていく。彼女の少し鼻にかかった甘い声は、ちびうさのキャラクターにはピッタリである。

 なお今回の作画監督は、何かと問題が指摘される安藤氏であるが、彼の担当の回にしてはまだ作画的にはマシな方(それでもあまりにブクブクの亜美ちゃんには閉口するが)。

 

 

今回のチェックシーン

 衛の記憶も戻ってラブラブ気分の二人、しかしそこに謎の物体が。

 それにしてもこの二人はしょっちゅうキスしてます。いいのか中学生が・・。

 突然落ちて来た少女が衛の唇を・・。そして吹っ飛ばされるうさぎ。

「私はうさぎよ・・。」ちびうさの初登場。目茶苦茶目つき悪いです。この頃は性格もキツメのちびうさ。

 ちびうさの銃はやっぱりおもちゃだった。見事なおマヌケ顔でのびてしまったうさぎ。こんなおマヌケ見せるヒロインは彼女ぐらい。そう言えばちびうさのおもちゃの銃は劇場版でも出てきましたね。

「騙されちゃ駄目よ!この子は普通の人間じゃないんだから!」突然上がり込んで来たちびうさをいとこだと思い込んでいる家族にきれまくるうさぎ。それにしてもすごい顔。

「銀水晶をわたせー!」

風呂の中にまで現れる神出鬼没のちびうさ。この次はベッドの中にまで現れます。

 ちびうさを命を狙うルベウス&あやかしの四姉妹。

 そして黒幕ワイズマン、どこから見ても疑う余地のない悪役スタイル(笑)。

「うさぎ、あなた・・・晴れ着に負けてるわ。」

レイのシリアスギャグ。いきなりずっこける四人。

「ルナPー、変化」

ちびうさの得意技。このバックは無印での変装ペンの時の雰囲気ですね。

「おいたは許しません!」

うさぎに捕まるちびうさ。まんじゅうをガツガツ食べていたうさぎはお茶を飲んでいなかった。さすがはヒロイン・・って少し違うような気がする(笑)。

 その時ちびうさの額に月の紋章が。

 ちびうさを探しているコーアン。それにしてもこまめな探し方。

 ところで、コーアンの足に見とれている男の子約3人は何?(笑)

「あやかしの四姉妹の四女コーアン」

ちびうさの命を狙って現れるコーアン。ちびうさのエネルギーが彼女を呼んでしまった。

「かかしの四姉妹?」

 マジ顔でボケをかますうさぎ。シリアスギャグシリーズ第2弾。

 変身したはいいが、コーアンの炎攻撃にやられまくりのセーラームーン。相変わらず弱い(笑)。

「セーラーボディーアターック!!」

セーラームーンの新技。といってもただの体当たりです(笑)。セーラームーンにしては珍しい肉弾戦技です。

 そしてそこに登場するタキシード仮面。もう薔薇だらけです(当社比200%増量)。ちなみにコーアンによると「やけにキザな奴」だそうです(笑)。

 ちびうさを抱いたタキシード仮面に謎のビジョンが、これが後のストーリーの伏線になります。

 一件落着。平和にお眠りのうさぎ&ちびうさ。それにしても見事な寝相。二人の足の下敷きになって、ルナが死に掛けてる(笑)のに注目。

 

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