第87話 「愛と未来を信じて!うさぎの決心」

  小坂春女演出  脚本 富田祐弘  作画監督 中村太一

 サフィールがワイズマンに殺され、いよいよ大詰めを迎えるブラックムーン編。黒幕たるワイズマンの正体が現われ、ストーリーは緊迫の度を深める。ただここら辺りでスタッフの力量の限界が見え始める回でもある。

 ストーリー

 邪黒水晶が東京に現われ、いよいよ地球の危機が迫る。暗黒の中心を調査するために単身、先行して潜入したタキシード仮面を追って、セーラー戦士達も決死の覚悟で邪黒水晶内に潜入する。しかし潜入直後セーラームーンが一人罠によってはぐれてしまう。そのセーラームーンの前に現れるプリンスデマンド、彼はセーラームーンを操り自らに忠誠を誓わそうとする。しかしセーラームーンはギリギリのところで正気に返り、プリンスデマンドを説得する。セーラームーンの説得でプリンスデマンドがワイズマンの意図に気づき始めた時、ワイズマンが二人の前に現れる。

 チェックポイント

 いよいよストーリーも佳境に入り、ブラックムーンの狙い、ワイズマンの意図(デスファントムの下僕で「地球を滅ぼし、世界を暗黒に」することを目的としている)などがはっきりしてくる。また前回のサフィールに続いて今回はプリンスデマンドが死ぬ。前話でのサフィールは原作と違ってただの良い人になってしまっていたが、今回のプリンスデマンドも、いくら弟をワイズマンに殺されたとはいえ、セーラームーンの説得にあまりにあっさり納得してしまうのは、少々甘すぎる気がする。この辺りはストーリーの甘さと、お子様アニメの限界のようでもある。

 Rの後半は、幾原氏以下の一線級スタッフがすべて劇場版の方に抜けてしまったために、レベルの低下が見られるが、完全にその煽りを受けている形なのがこの回。ストーリーは大詰めにも関らず、上記にあげたストーリー上の難点以外にも、演出は平凡であるし、作画レベル的にもそう高くないなど、かなり苦しいところが散見される。おかげでRのシメの回に当たるにも関らず、極めて印象が薄い。このような終盤のストーリーの印象の薄さと、ここに至る前後のモタモタしたストーリー展開などが、今日でもRがあまり高い評価を受けないことにつながっていると言えるだろう。

 

 

 

今回のチェックシーン

 めっきり出番が減っていて、久しぶりに登場のなるちゃん。うさぎのことをうすうす感づき始めているニュアンスを漂わせてますが、このことが後に特別につながらないのがちょっと・・。

 成長すると非行に走ってしまった少女(笑)、ことブラックレディになったちびうさです。それにしてもあのお子様が、ここまでお色気のある女性になるんですか。お色気の点ではうさぎよりも数段上ですね。

 見え隠れするワイズマンの正体。彼は地球を破滅に導こうとするデスファントムの下僕だった。

 覚悟を決めて邪黒水晶内に突入するうさぎ達。命懸けの決意を示すシーンなんですが、演出の甘さでいまいち盛り上がりに欠けるのがつらいところ。

 セーラームーンの前に現れたプリンスデマンド。結局彼は片思いの女性を追いかけていただけの気もする。

 デマンドに操られて、忠誠の口付けをされようとするセーラームーン。涙が彼女の心の中を表現している。

 セーラームーンの心の中をちびうさや仲間達、そしてタキシード仮面の姿がよぎる。これで彼女は正気に戻ります。

 サフィールの最後。セーラームーンの説得で、デマンドはワイズマンの陰謀に気づき始めます。

 正体を現したワイズマンにデマンドの怒り爆発。

 デマンドとワイズマンの死闘。「ブラックムーンの長、このプリンスデマンドを取れるものなら取ってみればいい。」というデマンドのセリフはカッコイイですが。

 セーラームーンをかばってワイズマンの攻撃に倒れるデマンド。どうもこの辺りの画面は無印最終話によく似ている。もう少し工夫が欲しかったところ。

 セーラームーンにブラックムーン一族のことを託して息絶えるデマンド。彼も一族の長としての責任を背負っていたのです。

 復活したワイズマンにセーラームーンの危機。

 ワイズマンはセーラームーンを心理攻撃する。しかしこの二人の組み合わせでは近親相姦である(笑)。

 オタスケマンことタキシード仮面の登場。ここ一番では必ず登場する方。

 そしてセーラー戦士達も登場。このシーンはいわゆる使いまわしなんですが、キャラ絵がかなりヘボイ。

 暗黒の中心に突入しようとするセーラー戦士達の前に現れるブラックレディー。この前の足からずっと視点をあげていくシーンが色っぽいです。それにしてもなんであんなにスリットの入ったスカート履くの?

 

戻る