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移住に向けた準備/求職・公務員試験編
この章のポイント
  • 北海道の地域暮らしをもとめた結果、学校事務職員の道を選択。
  • 幸運にも1回で公務員試験を突破。早期の移住を実現できた。
  • 前職の会社も円満退職。北海道移住実現へ。
風景
1999年 4月10日公開
1999年11月16日更新

北海道移住に向けた仕事探し
    「地域に密着した仕事」をもとめ学校職員に・・・
 多くの移住体験者が指摘することですが、北海道移住を考える上で最大の課題となるのは仕事です。特に地域の自然をもとめて移住するとなると選択肢も限られてきます。また、いくらまわりの自然が充実していてもそれを実感できない仕事では何にもなりません。その点も仕事を選ぶ材料として考慮しました。
 同時に私には「地域に密着した仕事」をしたいという強い想いがありました。何をもって「地域密着」と呼ぶかについては議論の余地もありますが、前職の通信事業者への就職も原点には「地域密着」という想いがありました。少なくとも今までの仕事以上に「地域密着」が実感できる(想いに浸れる)仕事をしたいという気持ちがありました。
 あと職種について私は就職活動の時から総務系の仕事をしたいと思っていました。それにより近い仕事を探しました。
 以上の点から北海道での仕事を考えました。その結果、私は「学校事務」という仕事を選びました。学校事務を選んだ理由は、北海道の学校事務職員は「札幌市以外の公立小中学校」という条件がついていますので、地域の豊かな自然に囲まれて暮らしたいという私の希望をかなえてくれる仕事であると思いました。結果的に「公務員」の道を選択することとなったのです。
 学校は人が住むところならどこにでもあります。地域の中で学校は重要な位置を占めています。その重要性は予想はしていましたが、実際に現場にいるとそれは想像以上に重要性が高いものでした。地域の活性化のキーになっているようにすら感じられます。その現場で仕事をすることは、地域密着という想いを満たすのにぴったりです。

公務員試験に向けた準備・勉強
   運試しと思いつつも限られた時間と素養で全力投球
 上記の方針が98年4月上旬に定まりました。学校事務職員の採用は通常の公務員試験と基本的には同様ですので、同年6月末の公務員試験に向けて勉強をはじめました。
 久しぶりの勉強で懐かしい想いもありましたが、それ以上に広範な試験範囲に圧倒されます。また、社会人の身でもありますので、なかなか勉強する時間がとれません。会社への行き帰りの電車の中で本を読み、昼休みも本を読み、夜は練習問題を解き、という生活です。休日は一人暮らしのため、やらなければならないことがいくつもあります。それでも1日平均2時間の勉強時間をとるのがやっとです。
 勉強範囲もまた問題です。行政法はゼミがそうでしたので最低限度の素養くらいはかろうじてありますが、それでもかなり忘れています。民法は学問的にはほとんど知らないですし、経済学に至っては専門外なので何がなんだかさっぱりわかりません。専門科目は他にもいっぱいあります。一般教養も自然科学とかは高校程度の素養があれば大丈夫と言われますがかなり忘れています。
 こんな調子では出題範囲さえ終わるはずがない!とも思いました。捨てる領域を作ることも考えましたが、「とりあえず見るだけ見ておこう」と本当に「見るだけ」の勉強でした。この年は本当に運試しのつもりでしたが、それでもやれるだけのことはやろうとがんばって勉強しました。
 ちなみに私は公務員試験の受験にあたり予備校や通信教育の類はほとんど使用しませんでした。勉強は市販の参考書と必要に応じ高校・大学時のテキストが中心。力試しは受験ジャーナルの巻末についている誌上模擬試験だけです。模擬試験の判定もがたがたで最後まで合格ラインの判定は出ませんでした。

公務員試験の受験 ※この情報は私が体験した当時のものです。現在異なることもありますので注意してください
   まさかの一発合格!
 学校事務職員の採用試験は基本的には通常の公務員試験と同時に行われます。各都道府県と政令指定都市で採用があり、学校事務という職種で採用を行っている自治体が多いですが、自治体によっては一般行政の公務員として採用するケースもあるようです。私が受けた時は、北海道の場合は学校事務という区分で上級・中級で採用がありました。一般行政とは試験日が同じですので併願できません。念のため。

 北海道の採用試験は一次・二次ともに札幌または東京のいずれかで受験することができます。私は上級は一次・二次ともに東京で受験しました。中級の一次のみ札幌で受験しました。
 一次試験の手応え。上級は結構厳しかったです。中級はまあまあでした。

 そして2週間ほどして一次の合格発表です。合格発表は札幌の人事委員会、各支庁、道外の北海道事務所でみることができます。
 上級試験の一次合格発表の時、私は旅行で北海道に滞在していましたので、札幌の道庁に見に行きました。そうすれば不合格でも順位を教えてもらえます。そうすれば来年に向けた対策も考えようはあります。でもそのお世話にはなりたくないなぁ・・・と緊張して見に行きました。
 でもたった4名の一次合格者の中に自分の受験番号がありました。目を疑いましたが確かにあります。「これは北海道の神様が君に是非おいでと言ってくれてるんだよ」とか勝手に思いこみます。そうでもない限り上記のような勉強では受からないでしょう。
 そして旅行中に大阪から二次出願書類を取り寄せ、道内で北海道へのありったけの想いを書き込み、札幌駅構内の郵便局から提出します。

 二次試験は面接と集団討論です。その結果、無事合格し、8月12日付で採用候補者名簿に登載する旨、通知が来ました。
 中級試験も一次は合格しましたが、中級の二次試験の前に上級試験に最終合格しましたので二次は受験しませんでした。

合格後の手続き ※この情報は私が体験した当時のものです。現在異なることもありますので注意してください
 採用試験に合格してしばらくすると「意向調査」があります。これが9月〜10月頃です。身上に関する事項を記すとともに採用される意志があるか、勤務地はどこがいいかの確認があります。北海道の場合、赴任地は道東、道央、道北、道南の4ブロックから希望順位をつけることができます。あくまで希望ですが・・・(ちなみに私は第一希望の道東になりました)
 北海道の学校事務職員の場合、意向調査書を提出するとしばらくは何もありません。その後は、2月下旬に身体検査がありました。私は札幌まで行くのかと思っておりましたが、京都で受診することができました。全国主要都市で受診できるようです。
 3月になって勤務地の連絡があります。まず3月上旬に採用に必要な各種書類を準備するよう通知が来ます。3月中旬に採用となる支庁の教育局、市町村の教育委員会、赴任校の校長から連絡がありました。採用支庁の連絡があったのが3月14日、赴任校の連絡があったのが3月16日でした。引越はほんとにぎりぎりで、住居が決まる下旬頃〜4月上旬となります。

 ちなみに公務員の合格とは採用候補者名簿搭載のことであり、内定ではありません。採用部局から連絡が来てはじめて採用になります。行政の場合は10月とかに出るみたいですが、学校事務はぎりぎりまでわかりません。多くの人が4月1日付で採用になりますが、たまにそうでない人も出ます。私の年でも一部6月採用の人も実際にいました。(上級採用者は全員4月1日採用)
 配属地域と人数については、私の年では次のとおり。
 上級が根室2、離島1。中級が根室2、宗谷、留萌、釧路、上川各1でした。

会社退職
    上司の理解と協力を得て円満退職を実現
 私の場合は既卒者でしたので、勤めていた会社に退職の届けをしなければなりません。
 時期としては会社によって異なる部分がありますが、一般的には1ヶ月程度前までに申し出ておけばいいみたいです。会社の就業規則にも退職に関する記述がありますのでそれも研究しておきましょう。
 私の場合は、北海道移住を後悔のない形で行いたいことから、移住計画について検証を行ってきました。最後は北海道を生活者的な目から見るために、99年1月、もう一度北海道の地を踏み、歩いてきました。北海道に移り住んだ知人からも話を聞いたりもしました。
 会社への退職届け出については、トラブルになるケースも多いと聞いていましたので神経を使いました。私と同じ年数で会社を辞め、地元の公務員となった先輩などにも相談したりしました。
 そして北海道移住を最終確定し、退職希望日とした3月10日の1ヶ月ちょっと前、2月1日に上司に退職申し出をしました。幸い私の場合は、上司が私の思いに理解を示して下さり、円満に退職の手続きを取ることができました。

★準備ができればいよいよ移住。引越について次項「北海道移住実施」で詳しくお話します。

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