ごあいさつ

 

 新年あけましておめでとうございます。
 新年にあたりまして、昨年を振り返って御礼を申し上げ、2007年の計画をお話してごあいさつとさせていただきます。
 
 昨年は改正介護保険法が施行され、「住み慣れた地域で最期まで」という地域居住への道が踏み出されました。
 「住いとケアの分離」「早目の引っ越し(住み替え)」など、2003年6月に出された「2015年の高齢者介護〜高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて〜」で開陳されているビジョンは、北欧、なかでもデンマークの目指す方向と相重なるものですが、そのビジョンに向けて日本も走りはじめました。また、「生活圏域内における365日24時間の切れ目のない在宅サービスの提供」もまた、デンマークで1980年代から試行され、コムーネ(市町村)の責任として実践されています。24時間ケアについては課題が多いですが、「どこに住んでも施設と変わらないケアが受けられる」システムが整うことを願って今年もがんばりたいと思っています。
 
 2006年のまとめですが、私は1997年にデンマークに1年住んだ経験からこの国の高齢者福祉の研究を始めました。2001年に続き、2005年10月にはこうした成果を「デンマークの高齢者福祉と地域居住〜最期まで住み切る住宅力・ケア力・地域力〜」(新評論)としてまとめることができました。分厚くて3400円と高い本であったにも関わらず、秋口に再販となりました。読んでくださった方々に御礼を申し上げます。
 6月には日本老年社会科学会での発表、7月にはスロベニアで開催されました「ENHR(European Network Housing Research: ヨーロッパ住宅研究ネットワーク)」に参加して初めての国際学会発表を行いました。準備が大変でしたが、ヨーロッパにおいて住宅政策が社会保障の一環として当然のこととして取り組まれている様子を生々しく感じ取ることができ、「だれもが平等に保障される高齢者住宅」のあり方について、地方自治の強化も含めて考えていく必要を多いに感じました。興味ある方は、こちらでご覧くださいませ。秋には、同テーマでjiha(社団法人 日本医療福祉建築協会)のセミナーで話をさせていただきました。
 
 さて2007年ですが、2004年より行っております「松岡事務所デンマーク高齢者福祉・医療・建築最前線ツアー」も多くの方のご支援を受けて今年は第6回目を迎えます。
 今年からは内容を大きく一新し、春のツアーはデンマークを中心にオランダ視察を組み込みます。すでに、政府の研究機関である「NIWZ 知識センター」との合同交流プレゼンテーションの話も整い、先方から話を聞くだけでなく「参加して考えるツアー」にしていきたいと考えております。くわしくはこちらをご覧くださいませ
 
 最後になりましたが、多くの方々にご支援をいただいておりますことに心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
 今年も「お年よりの隣に座って、世界的な視野で考えていく」をテーマにしっかりと楽しく歩んでいきたいと思います。
 みなさまのご多幸とご健康をお祈り申し上げます。
 本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

2007年 元旦      

松岡事務所 松岡洋子  


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