三太の発達日記
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三太は3才児検診で言葉の遅れを指摘されました。その後の言語発達の様子の記録です。

2004年5月20日(木)  4才10ヶ月

診断...高機能自閉症


A研究所での検査の結果を聞いて来ました。
ここは、療育施設で医療機関ではなく、医師はいないので「診断はできません」と言われます。ちなみに「判断」と言うそうです。しかし、発達の専門家が専門的な検査をして行う「判断」ですから、「診断」と同じ重みがあると受け止めています。

検査はITPA(言語学習能力診断検査)を行ったということで、その結果を説明してもらいました。
三太は実年齢4才10ヶ月に対し、言語学習年齢4才2ヶ月。この点に関しては、発達個人差の範囲だそうです。
検査項目は10項目に分かれ、三太の平均値を基準にばらつきを見ます。点数ではわかりにくいので、年齢相当で見ると、平均が4才2ヶ月なので3才5ヶ月〜5才10ヶ月は許容範囲。ここから外れると特異な偏りと判断します。
三太は、概ね許容範囲内でデコボコしている感じですが、「言葉の表現」が2才5ヶ月と著しく低く、「形の記憶」が7才4ヶ月で著しく高いということでした。

そして、診断(判断)結果は高機能自閉症...検査上は言語の遅れはないのでアスペルガー症候群(の疑い)ということです。
言語の遅れは「言葉の理解」が4才8ヶ月と実年齢相応、三太の発達レベル内では高い方に位置します。なので、自閉症の中でも知能に遅れがなく言語にも遅れがないという判断基準に当てはまってしまうそうですが、こだわりの強さや変化の弱さ等の所見を考え合わせると、医師によっては高機能自閉症となったりアスペルガーとなったり悩むところだそうです。ただ、文部科学省の分類では、高機能自閉症もアスペルガーも両方「高機能自閉症」となるそうなので、自閉症スペクトラムの中にいるという意味ではどちらかに決める意義は少ないということでした。

三太の場合、形(視覚)の記憶力が非常に高く、今回の検査ではなかったけれどおそらく音(聴覚)の記憶も非常に高いと思われ、早期から字が読めるようになったというのも、字の形を記憶し、それに対応する音を記憶する能力によるものだそうです。そして、すでに獲得した文字を手がかりに、これから大きく伸びていく可能性があるそうです。
三太はここ半年で急にいろいろわかるようになってきました。このように説明されると確かにその通りだなぁと思います。物の名前もそれが何かも理解している。音情報も意味はわからずたくさん記憶している。いろいろな経験も理解はしていなくても記憶している。それらのたくさんの記憶が、今、彼の中で秩序を作りつつあるのだと思います。
また、1時間余りの検査も興味を持って行うことができたので、大勢で自由行動よりも、指導者と1対1ですべきことがわかっている状況が好きなようです。そして、これは高機能自閉症の人に多い特徴でもあるそうです。

A研究所の担当の人が言うには、就学までに一度、医療機関で診断をもらっておいた方が、今後いろいろな場面で有利だということです。公的支援を受けるにしても、診断書を要求される場合があるかもしれない。診断をもらうために訪れたA研究所ですが、本当の診断への道のりは長いです。



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