1999年11月7日(日) 挨拶
「最近の子供達は挨拶ができない。親の躾がなってない。」
というのを時々聞くが、本当にそうだろうか?
私は、「躾してます!」と威張って言えるような親ではないのだが、それでも挨拶だけは意識している。
長介が小さい頃から、いろんな挨拶を私も言うし、子供にも言わせてきた。
おはよう、おやすみ、いただきます、ごちそうさま、いってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえり、こんにちは、さようなら(バイバイ)、ありがとう、etc...
それにしても、こうして書くと日本語って挨拶の種類が多いね(笑)。
ところが、長介はいつまでたっても挨拶ができない。よその人に親切にしてもらってもだまっているので、
「なんていうの?」
とうながすと、小さな小さな声で
「ありがとう」
見ていると、どうも人見知りが激しくて緊張のあまりとっさに挨拶の言葉が出てこないようなのである。
誰かに会うような時、たとえば病院でお医者さんに会う時とかは、あらかじめ
「ちゃんと、『こんにちは』って言いなさいよ」
といっておけば、かなり緊張しながらも言うのであるが、挨拶なんてとっさに言えなきゃ意味がないだろう。
というわけで、私は長い間、世間の言う通り自分の躾がなってないのだと思っていた。
ところが、同じようにしている次郎が話せるようになって、そうとも言えないのではないかと思うようになった。
次郎は人見知りをしない。恥ずかしいともあまり思わないようだ。したがって、私から見たら恥ずかしくて穴があったら入りたいようなことを、平気でやらかす(笑)。
その代わり、というかだからこそ、知らない人にも元気に挨拶できてしまう。エレベータに乗り合わせた人に、大きな声で
「こんにちは!」
だから、次郎はかわいがられる。たいていの人は、にっこりして
「こんにちは。ぼく、えらいね」
なんて言ってくれる。エレベータを降りる時もしかり。
この違いは、やっぱり「躾」だけの問題ではないだろう、うん。
その次郎が、最近妙なことを始めた。マンションのエレベータに乗る時、誰もいないのに姿勢を正して
「エレベータさん、こんにちは」
降りたあとは、回れ右をして深々と頭を下げ、
「エレベータさん、ありがとう」
そして、最後に
「ママもやって!」
やだ!(笑)。