2000年3月6日(月) お絵描き嫌い
小さな子供の一人遊びの定番と言えば「お絵描き」である。好きな子は、画用紙とクレヨンさえあればずーっとおとなしく遊んでいるらしい。うらやましい。
というのも、うちの子供達はお絵描きが嫌いだ。次郎はそれほどでもないが、長介は「大」が付くほど嫌いであった。専門家に言わせると、こういうのは母親の責任ということになる。上手とは言えない子供の絵を、ここがおかしいとか色が違うとか、口うるさく注意していると子供だって伸び伸び描けない。その代わり褒めてやればどんな子でも絵を描くのは好きなはずだ。ということらしい。
しかし、それは違う。断じて違う。
私はこれでも子供の作品は褒めて励ますくらいの常識は持っている。子供達が何かを作って「見て見て!」とやってくれば、「上手にできたねぇ」と大袈裟なくらいに驚いてみせるくらいの演技はする。
ところが、長介は最初から違った。1才くらいの頃、まだ自分では描けないので、代わりに私が描いて見せてやっていた。アンパンマンのキャラが多かったかな。描いてくれととせがまれるままに、来る日も来る日もバイキンマンやらジャムおじさんを描いていたっけ。
やがて、長介にも自分で描いてみようという意欲が湧いてくる。はじめは殴り書きで左右に往復する線を描いているが、そのうちマルが描けるようになる。そして、長介がはじめてマルを描いた...はずだった。すごいすごい。私は当然のことながら、
「上手に描けたね。」
と喜んだ。ところが、長介は喜ぶどころか怒っている。
「描けない!」
見ると、ぐるっと描かれた線の終わりがマルの描き始めとずれている。最後のところで軌道修正するもののそこだけイビツだ。長介はそれが不満らしい。
まだ、2才かそこらである。気にするか?普通。
とにかく、私が描く絵のイメージが頭にあって、そのとおりに描けないことがわかってしまっている、変な2才児だった。いくらこっちが、
「すごく上手だよ」
と言ったって、聞く耳を持たない。
「上手じゃない!」
それっきり、長介は絵を描かなくなってしまった。3才児検診で、発育をチェックするためにマルを描かせるというのがあるが、その時も長介はガンコに描かなかったので、あやうく問題ありにされそうになった。
「家では描いてます」
と嘘を言って免れたけど...(苦笑)。
長介は、いまだに絵が嫌いだ。学校の授業ではしかたなく描いているらしいが、時には「学校へ行きたくない病」を引き起こすくらい嫌いだ。(長介通院日記2月25日参照)
嫌いでもいいけど、学校へは行きなさい。