2000年4月22日(土) 釜飯チャーハン
1年生は、始めのうちは集団下校である。そして、毎日その解散場所までお迎えに行かなければならない。迎えに行くと、次郎は真っ先に走ってきて必ずこう言う。
「今日のお昼ご飯なに?」
それから、家に着くまでの間、次郎の頭の中はお昼ご飯でいっぱいになってしまう。
昨日の昼食は釜飯であった。前の日の残り物である。そう言うと、始めは「わ〜い」と喜んでいた。が、一緒にいた友達がやはりお母さんとお昼ご飯の話をしている。その子が
「チャーハンがいい」
と言うと、次郎もチャーハンがよくなってしまった。
「ママ、チャーハンにして。」
ここで、私は対応を誤ってしまった。
「う〜ん、お釜の中は釜飯だからチャーハンはできないよ。白いごはんの時ならいいけど。釜飯でチャーハン作ったら釜飯チャーハンになっちゃうからね。」
釜飯チャーハン...この言葉が次郎の好奇心を刺激してしまったようだ。
「釜飯チャーハンが食べたい」
「そんなの、絶対おいしくないよ」
「おいしいよ」
「食べたことあるの?」
「あるよ」(嘘をつけ)
「どこで?」
「夢の中で」
「まぁ、夢の中ならおいしかったろうけど、ホントに食べたらおいしくないよ」
「おいしいよ」
「とにかくできません」
「いやだ!食べたい!」
家までずっとこの調子である。しかたがないなぁ。ここは、強引に次郎の希望は無視することにする。そして、知らぬ顔で普通に釜飯をおちゃわんによそって出してやる。すると次郎、突然お皿を出して来て、おちゃわんの中身をパカッとあけた。そして、スプーンで食べて一言。
「ほら、おいしいよ」
釜飯チャーハンって、チャーハンのように盛り付けた釜飯という意味だったのね。