Feuillet d'album / 音楽帳の一頁

Leaves of Souvenir in January ...... 1月の日記

1月の音楽帳は薄雲色
冷たい空気の中を静かに舞い降りる
雪は傷付いてしまった心の欠片

深い悲しみを癒すために
孤独の中で奏で続ける
慰めの譚詩曲
......... Cloudy color, the Leaves in January
Snow is falling down in cold air
like the PARTS of hurt heart

Continuing to be playing in solitude,
for healing deep grief...,
Consolatory Ballade

2001年1月4日 (金)

 あけまして、おめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします m(_ _)m 。
 まあ、相変わらずのまったりとした 更新の日記ではありますが 少しは反省しろよオマエ 皆様のんびりとお付き合い下さいませ。

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 さて、前回のアルス・ノーヴァ クリスマスコンサートが終了したのが12月22日だったが、その後の私の素行(笑)について少々書こうと思う。あまり他にネタが無いのである(爆)。相変わらず何かと忙しい私の日常であるが……

 12月23日 …… 師匠宅で一日中レッスン三昧(苦笑)の日々。そう、25日にも本番があるというのに8時間もレッスンしてましたよ私は。ああもう全く、どうなってしまうんでしょうね、私の本番は(T_T)。

 12月24日 …… 大学の冬季講座で、受験生相手のレッスン。これはまあ、半日で終わったので、少し練習出来たかなぁ……

 12月25日 …… いずみホールで本番。私がリサイタルなどで世話になっている大阪アーティスト協会の主催による「クリスマスコンサート2001」という季節モノ(爆笑)の演奏会である。お召し上がりはお早めに…って感じですか(笑)。弾いたのは、アルス・ノーヴァでも演奏した自分の編曲による「クリスマス・メドレー・ファンタジー」でした。同じ曲だったのでまだ何とかなったようで。そうでなければ「練習できない」とか言う事さえ出来なかったと思われます(寒気)
 本番というのはいつでもそれなりに緊張するものだが、でもまあ、いずみホールのような大きなよく響く会場で弾くってのは、何はともあれ気持ちの良いものです (*^_^*)。これでやっと去年の本番は終了であった。お疲れ様 自分で言うなってば(汗)

 12月26日 …… 大学の「到達度テスト」の採点をやる。これは入試の一環として行われる試験であるから非常に責任重大である。なかなか気が抜けないのであった。

 12月27日 …… 大学付属音楽学園の「実技診断テスト」の審査をやる。昼休みは少したくさんあったが、結局約15時半まで。で、16時から2時間くらい学生の補講をする。これで大学でやる仕事は今年は全て終了ってことで。もちろん帰ってからもレッスンありました (T_T)/~~

 12月28〜31日 …… 補講やレッスンに明け暮れる日々。大晦日の31日なんて、10時から18時過ぎまでレッスンありましたし。……私は一体どうやって年越しすればいいんでしょうか(核爆)。

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 1月1日 …… 明けましておめでとうございます……って事で、今日はやっと一日オフ。年賀状書いて、ホームページの更新作業をして、後はひたすら寝るっ!

 1月2日 …… 早速今日からレッスンである。嗚呼、殆ど年中無休状態な私(泣)。おまけに、上着のファスナーを壊してしまいました。マトモにハマらなくなってしまい、前を閉じられないので寒い寒い(TT_TT)

 1月3日 …… 不幸は更に続く(爆)。自転車のブレーキワイヤーが切れてしまったので修理をしなければいけなくなってしまう。結局ファスナーは直らなかったので上着も新しいのを買うことにして、イズミヤへ買い物に。でもレッスンはもうたくさん入っているのでその合間を見計らって出掛ける。正月三が日から仕事だなんて、教育者の鏡である。いやホント…………(T_T)/~~~

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 そして今日、1月4日は、東京へ出掛けておりました。というのも、今年はぜひ東京でリサイタルを……と意欲と野望(笑)に燃えている私が、東京のとある評論家の先生の所に、それに関して相談に乗ってもらいに出掛けていたのである。

 それに関しては、つつがなく話が済んで、さて新幹線に乗って帰ってくる時の事である。今日くらいなら下りは結構空いているのだが 帰省ラッシュの反対側だからね 、念の為にというか、さっさと帰るために、東京駅で「のぞみ」の指定席を買った。ご存知の方も多いと思うが、「のぞみ」は全席指定であり、自由席がない。だからどうしてもその電車に乗るためには指定席券が必要なのである。

 切符を手に入れ、ホームの売店で帰りの食事も仕入れて、さて列車に乗り込むのを待つばかりである。そのうちホームに列車が到着し、車内清掃が始まった。既にホームには列が出来ている。でも結局指定席なんだから並んでも並ばなくても同じはずである。私はちょっと列から外れたところでその様子を何気なしに眺めていた。

 発射の時間は刻々と近づいている。だが、その長蛇の列は一向に動く気配がない。何だか変だな…と、腑に落ちないものを感じつつも更に待ち続ける私。そのうちいきなりアナウンスが聞こえる……

 「新大阪駅行き、のぞみ○○号。ただいま発車します。ドア閉まりまぁ〜す、御注意下さい……」

 ハッと我に返った私の目の前で、扉は無情にも閉まってしまった。そして汽笛一閃残して列車は行ってしまったのであった………… 何でやねん!(核爆)

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 結局、そこに並んでいた人たちは、その後に来る列車の為のものだったらしいのである。眼前を流れていく列車の中にはちゃんと乗り込んだ人達が見えている。要は私がトンマだったということである……っていうか、めっちゃ恥ずかしい (///>_<///) 帰って師匠に話したら爆笑されました(汗)

 さて、知っている方もいらっしゃると思うが、JRの指定券はその電車に乗り遅れた場合、その後に出る列車の自由席にしか乗ることが出来ないのである。更にご存知の方も多いと思うが、「のぞみ」の指定席券は「ひかり」や「こだま」よりも高いのである。…つまり私は列車に乗り過ごして時間を無駄にしただけでなく、余分に高いお金を払ったことになり、そのうえ自由席で立って帰らねばならない羽目になってしまったのである。

 まあ結局、新横浜 東京の次の駅、東京から約20分位 で座れたから良かったようなものですが。もし座れなければ駅弁を立ち食いしなければならないところであった。

 ……どうやら今年も、この日記のへっぽこ具合は変わりなさそうである(笑)。


2001年1月17日 (木)

 今日は凶悪に 寝覚めの悪い朝であった。そこそこな時間は眠ったはずなのに全然体が休まってない…っていうか、余計に寝る前よりも気分的に疲労してしまったような感じである。というのも、救いようの無い悪夢 を見てしまったからなのであるが (TT_TT)

 状況の設定としては、アルス・ノーヴァがとある会場に招待されて演奏会を行っている…というようなものだったのだが、
     みんなの演奏がてんで完成度が低く、ミスばっかりしている……
     (演奏が悪いから)会場はザワザワして演奏を聞くどころではない……
     何曲弾いてもプログラムが終わらず「いつまでやんの〜」という声が聞こえる……
     連弾をやるのに楽譜を舞台に持って来るのを忘れている……
     持ってきて開いてみると見たことも無いような譜面だった……
     しかもその楽譜は途中で終わっている……
     あろうことか、私はそれを適当に最後までごまかして弾いている……

 まあもちろん夢なので、現実には有り得ないような事まで起きてしまっているのだが、これはかなりキツい 夢であった。そしてその後の極めつけが…
 何とか適当にやれたよね…などと出演した我々が反省も無しに喋っている

………最っっ低!!!!

 現実にはもちろん、アルス・ノーヴァのメンバーはこんなことを絶対に言ったりしないので誤解の無きよう。っていうか、勝手に他人の夢の中に出演させてスミマセン>他のメンバーの皆さん(大泣)

 出来の悪いのは仕方が無い。それは練習不足だったり忙しかったり、色々な理由で仕方の無いことだってある。でもそれを反省も無しに、誤魔化せてそれで良しと喋っている自分が余りにも情けない。夢の中の事とはいえ、それだけは自分で許せない! 起きてからその場面を思い出して、堪らず叫び出しそうになってしまいました。あまりにも最低な自分……

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 何でまたそんな夢になってしまったのか…というと、何となく想像はついている。実は前日の夜、とある会合に出席したのだが、そこで交わされていた会話というのが何とも私にとっては不愉快で、罪の擦り合いのようなことを延々と続けていくような感覚 だった。もちろん何事においても100%完璧な処方など見つかるものではないし、そうであればどこかに綻びがあるのは当然である。だからといって重箱の隅を突付くような事ばかりしていたのでは事態が膠着するばかりなのに…。

 でも自分たちはさも当然の事をやっているように得々としているのだ。そんな言動を見るのも聞くのも非常に不愉快だったのだが、私も立場上結局頷くことしか出来なかった ので、……同罪なんですね、言ってしまえば。そうした他人と、もちろん自分に対する嫌悪感のようなものが現れていたんじゃないかと思う。

 そしてもう一つ、これは更に深刻な問題なのだが…………私は最近練習が出来ないのだ。正確に言えば、練習する時間が取れないのである。レッスンやら何やらの仕事が重なってしまって結局一日殆ど自分の練習が出来ないということがしばらく続いている。

 笑い話にさえならないことだが、レッスン中に練習不足と感じられる学生に、「一日どのくらい練習してる?」 と尋ねることがある。その生徒が、まあ例えば1時間とか答えたとしよう。普通ならば「それっぽっちの練習しかしなくちゃ、上達しなくて当たり前」…という風に諫める所であるが、そこで思わず口を衝いて出てきてしまうのが、「いいなぁ、それだけ弾けるなら…」 という台詞。……っていうか、そういわれると学生のほうも面食らうようで、次の時には結構真面目に練習してきたりするので、それはそれでいいのだが(苦笑)。

 それはともかく、私が自分の練習時間をなかなか取れないというのは困った問題なのである。………………何とかしなくては(*_*)。

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 そう思って少し遅い時間まで師匠のお宅で練習をさせてもらい、いざ帰ろうとして自分の自転車に乗ろうとしたら、……パンクしてやがった

……ど 最っ低!!!!

 何だかもうすっかり疲れ切った気分になってしまいました。まあ、ブツブツ言っていても仕方が無いので電車で帰ろうと思ったのだが、よく考えたら既に千里丘駅の上りの終電に今から歩いていたのでは間に合わない(自爆)。

 もう、何とでもしてください(TTT_TTT)。

 結局仕方が無いので師匠の自転車を拝借して帰ることになった。当然自転車の大きさはかなり違うし、サドルの高さとかも全然違うので漕ぎにくい事この上ない。

 更によく考えてみると、私と師匠の、自転車そのものの高さの違いよりも、サドルの高さの違いのほうが小さい………つまり、私の足は相対的に短いということが証明されてしまったのであった。

………もういいです。逝かせて下さい(泣)。


2001年1月21日 (月)

 今朝はだった。それも手酷い土砂降りで。

 ……どうしてこう、早く起きなければいけない日とか、遅刻出来ない日に限って雨が降るんでしょうね。おかげで大学へ行く途中、散々走る羽目になりましたよ。時間の計算が狂ってくるから。おまけにJRまで遅れてるし……(T_T)

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 さて、なぜ今日遅刻出来ないかというと、試験だからである。いや、もちろん私が受けるわけではない(爆)。今、大学は実技試験シーズン(笑)なのである。短大のピアノ科の学生の卒業試験が行われている。いわゆる採点をしなければならないので遅れるわけにいかないのである。

 それだけではなく、採点用紙を配ったりとか、そういう作業も私の担当なので、他の先生方よりも早く行って準備をしなければならない……ので、余計に遅刻できないのである<もう分かったって。

 今日は私の門下生が全員演奏することになっている。卒業試験はホールで行うので一日に約30人が舞台で演奏し、我々はそれを採点するわけだ。我が門下の今年の短大卒業予定(苦笑)の学生数は6人。30人中6人ということは結構な確率である。……つまり、聞いていて気が抜けないということである (^_^;。

 おまけにどうもウチの門下は、先生を筆頭にクジ運が悪いらしい。30人を、休憩等を挟んで4つのグループに分けて演奏させるのだが、一番最初のグループを除いて残り3グループ全てのトリ グループの最後ってことです をウチの門下が勤めることになりました。………つまり、いつも最後の最後まで気が抜けないということである (-_-;;。一日の審査が終わるまで気が抜けないということでもある。…………何でそうなるのかなぁ…(汗)。

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 それはさておき、短大の学生なので私は彼女たちをほぼ2年間指導してきた…という事になる。今日の試験…言ってみれば2年間の集大成のようなものだが、彼女たちの演奏を聞きながら、ちょっと色々と感じてしまうものがあった。みんなの努力と成長がしっかりと感じられたからである。もちろん文句無く…という訳にはいかない。でも、ホールでの卒業試験という緊張感やプレッシャーを背負いながらも皆が伸び伸びと演奏できたことは私にとっては非常に喜ばしいこと であった。そう、彼女たちは少なくとも、立派に「音楽」を演奏していたと感じることが出来たからだ。単なる機械的な演奏ではなく。

 試験の前しばらく人前で弾くことに強烈なプレッシャーを感じてどうしても思うように発散した演奏が出来ずに落ち込んで悩んでいた者が、あんなに大胆にピアノを操っている……

 いろいろな事情で結局試験の曲をほぼ1ヶ月しか練習できなかった者が、立派にドビュッシーの前奏曲を奏でている……

 入学当時指が本当に弱くてチェルニーなどの練習曲さえ思うように弾けなかった者が、リストのエチュードを音楽的な流れを感じて演奏している……

 試験前夜、どうしても自信が持てなくて不安をメールで打ち明けて来た者が、迫力のあるダイナミックな演奏を聞かせている……

 初めてのレッスンの時には、体の使い方が硬く腕の痛みを訴えて医者に通っていた者が、あんなにしなやかで柔らかな動きでショパンを弾いている……

 内向的で余り話も出来ず入学さえ危ぶまれていた者が、堂々と舞台でリストの作品を演奏している……

 まあ、みんなそれぞれ自分なりの悩みや事情というものを抱えているわけで、決して順風満帆というわけには行かなかった。中にはトップクラスの実技成績をとって、充分学部への3年次編入の推薦を受けられるはずなのに、家庭の事情などで断念せざるを得なかったものもいる。そんな色々な苦労を経て、今日こうして自分たちなりの演奏が出来たのを見ることが出来たのは本当に嬉しいことであった。大学で教え始めて既に7年になるのだが、何となく初めて「学校で教えていて良かったな…」と感じられた試験だったように思う。

 人それぞれ、演奏の中でどういう部分を評価するかという捉え方は違ってくる。だから、私が今日彼女たちの演奏を聞いて「音楽」を感じられた…と喜ぶのは自己満足に過ぎないかもしれないし、人によっては全く感じ方が違うものなのかもしれない。

 だがやはり、演奏者の意思が感じられる演奏…弾き手の想いが現れる演奏というのは魅力のあるものだ。例え色々なミスがあろうとも、「言いたいことが伝わってくる演奏」が、結局は心に残るものなのだと思う。もちろん、間違えるよりは間違えない方が良いに決まっている。でも、「ミスが無かったから感動的な演奏なのか」といえば、それは絶対にNoである。それはより説得力のある演奏に向かうための一つのステップなのだ。

 これからも、更に音楽の美しさ・楽しさを伝えられる演奏が出来るよう、努力を続けて行って欲しいと思う。もちろんそのための技術的な鍛錬も含めて、である。なにはともあれ、お疲れさま…である。(^_^)/


2001年1月22日 (火)

[Happy? Birthday!]

 今日は私の誕生日である。ってことは、今日で私も33歳である。…………うわぁ、私も年を取ったなぁ(爆)

 例えば大学で。周りを見回してみれば、そこには学生ばかりである。基本的に彼らは一定の年齢になったら卒業していなくなってしまうので(笑)、周りにいるのはいつも殆ど18歳から22歳位の人たち…という事になる。

 私にしてみれば、相手はいつも同じくらいの若さなのに自分だけが年を取っていくような感覚である。いまどきの学生は こんな言い方している時点で既に年寄りって感じですが(笑) 一年違うだけでその性格も傾向も全く違っているような気がする。そして一年間が広がっていくたびに世代格差…ジェネレーションギャップを強く感じてしまうものである。結局、何時までも若くは無いということか (T_T)/~~~

 いやいや、これはちょっと比較する相手が悪過ぎたような感じである。ここは一つ同じ立場 ということで、同僚の先生方に目を転じてみることとしよう。「先生」という括りで考えてみれば、確かに私はまだ若い方ではある。でも、非常勤講師に採用された時点では、私は26歳であった。それなりに若くて優秀…ということで採って頂いたわけである。当時としては先生方の中では一番若かったのである。したがって周りを見れば人間としても先生としても先輩ばかりであったはずだったのだが……

 何時しか時は流れて 大袈裟な(^^; 私より年下の先生も何人もいらっしゃるようになってしまった。…………やっぱり、何時までも若くは無いということなんだろうな (T_T)/~~~

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 まあ、毎年一つずつ年を重ねていくというのは、言ってみれば当たり前の話なのだが、それでも私にとって「33」というのはちょっと一線を画する数字に感じられてしまう。というのも、様々な国際コンクールの制限年齢の上限が、32であることが多いからである。

 そういった国際コンクールの上限年齢は、大半が「30」か「32」なのである。今までそういう舞台に挑戦し続けてきた私としては、いよいよ立場がガラリと変わってしまうということを意味するわけで。つまり、「君はもう受けに来ちゃ駄目だからね」と、通牒を突き付けられているような気分になってしまうわけである。まあ、最近は大学の仕事が忙しいせいもあってそれほど頻繁に海外に出かけることが無かったので、生活パターンそのものがそんなに変ってしまうとかいう訳ではないし、そんなに気にするほどのことではないと…言ってしまえばそうなのかもしれないのだが……

 でもやっぱり気分的にはちょっとね …(゜o゜)……という感じである。…………ああ、歯切れ悪いですね。これもやっぱり年のせいかなぁ(爆)。

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 そんな感じで、いよいよ味噌路三十路街道まっしぐら、選んでカルカン猫もまっしぐら……といった気分なのだが、結局そう人間なんて年一つとったところで変わるわけでもなし……、この下らないへっぽこな日記も、相変わらずさぶいネタをバラ撒きながら、テレテレと続いていきそうな感じである。ピアノのほうもせっかく年を重ねているのだから段々と味噌味のある演奏が出来るようになっていかなきゃな……というわけで、これからも皆様方どうぞよろしく m(_ _)m

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 さて、門下生というのは有難いもので、誕生日というと色々と気を遣ってくれたりするのである。例えば、しばらく前に大学のレッスン室にぬいぐるみを持って来てくれたりとか、昨日一日早いプレゼント兼(笑)バレンタインということでチョコレートをくれたりとか、今日もドライフラワーの花束を抱えた可愛いクマのぬいぐるみを頂きました。皆さんどうもありがとう \(^_^)/

 ところで、前段を読んで何だか男性へのプレゼントの割にはファンシー(笑)なものが多いことが気になっていらっしゃる方も居られるかも知れない。実は、昨年度の卒業生が大学のレッスン室に記念品として犬のぬいぐるみを3匹プレゼントしてくれたのである。それは多分師匠の家にいるショパン君 ゴールデンレトリバー 現在7歳10ヶ月 を意識してのことなんだろうが、それ以来、なんだかそういった類のプレゼントが増えている。大学にいる子犬たちの数も増えている。門下の中には「犬小屋作りましょうか」と言い出す者までいる始末である(爆笑)。

 まあ、可愛いものだし、時折部屋を訪れる他の先生方にも非常に好評である。犬がお好きで飼ってらっしゃる先生も多いようなのである。だから別に問題ないのである。それに、音楽を演奏する者は、そういうものを可愛いと感じられる感性も大事だと思うぞ、私としては。←決して自己弁護ではありません (^_^;;

 他には携帯電話にメールを頂くというのも多いかな。中には22日の0:00というジャストのタイミングで送ってきてくれる者や、凝ったレイアウトでデザインしてあるもの、4人からの連作メールなんてのもあった。その最後には「Happy Birthday」の着メロが添付してあって、「凝っているなぁ……」と思わず感心してしまった次第である。

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 これだけ書くと、何だかとてもほんのりとした小春日和のような誕生日 を過ごしていたと感じられるかもしれないが、残念ながら世間はそう甘くはないのである。今日もべらぼうに忙しかったのであった。

 何しろ大学では試験シーズンである。何とか期日までに曲を仕上げなければならない学生たちは必死なのであった。私もそれ以上に必死である。その結果が、朝の11時から20時半まで休憩なしでレッスンである。昼食も学生の演奏を聞きながらであった。休憩も無しに9時間半 …………
 労働基準法違反ぢゃないのか(核爆)
 責任者は誰だ、まったく……って、そういうスケジュールを組んでしまったのは他でもない私自身だから誰にも文句は言えないのが悲しい (T_T)/~~

 結局今年もそんなこんなで相変わらずドタバタと忙しく過ぎていくのだろうという感じである。まあ、それでいいんじゃないのかな (^_^) 。


2001年1月24日 (木)

 今日も朝は寒かった……

 鳴っている目覚ましを止めて、布団の中でその温もりを全身で堪能する。…………ああ、暖かいなぁ……幸せだなぁ……もう一眠り…………と、睡魔の罠に嵌りそうになったところをハッと気がついて体を起こす。

 へへ、危ない所だったぜ。もうちょっとで二度寝するところだったぜ。だがオレはその誘惑に打ち勝った! 今日は試験だからな。さすが、大学の教員ともなると責任感が違うぜ!

 ……時計を見ると既に起床予定時刻を過ぎている。早速、5分のビハインド (TT_TT)g

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 5分とはいえ、朝の時間は貴重である。それほど余裕を持って起きない私はなおさらである<どこが責任感やねん(笑)。

 それに5分といっても、下手をするとこれが芋づる式のタイムロスに繋がりかねない。私の場合、大学までの通勤時間は約1時間であるが、例えばこれが全て徒歩だったり自動車だったり、自分で全ての采配を振るうことができる交通手段であれば、途中ちょっと急いだりして単純に5分の遅れを取り戻せば良いわけだ。だが、電車などの公共機関には運行時刻というものがあり、それは我々の都合などにかまってくれはしない。それは一種の閾値であり、例え10秒だって遅れてしまえばアウトであり、乗り遅れれば次の電車を何分か待たざるを得ない。そうなれば更に遅れは増大していってしまう……。恐怖の悪循環である。

 だから急ぐ急ぐ。身支度を整え、駅まで自転車をとばして自転車を不法駐車して、ホームへ向かって走る一心不乱に走る。まさしく友を救わんとするメロスの心境である。駅の陸橋を走っていると彼方から電車がホームに入ってくるのが見える。………更に加速(泣)。ここで悪循環を断ち切れば、後は普通どおりに行けるのだから!

 結局、あと2秒遅ければドアに挟まっていた…ような状況で何とか滑り込むことに成功する。

 やったぜ! 俺は勝ったぜ、遣り遂げたんだぜ!

 肩で息をしながら無邪気に喜ぶ私。それが普通であることに気がついていないあたり、ちょっとおマヌケである(自虐的)。

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 大学に着いたらあたふたと試験の準備。そして休む間もなく始まる試験。午前中は短大1年生の試験であった。毎度の事ながら、試験で自分の門下の演奏を聞くことほど緊張することは、なかなか無いんじゃないだろうか。何と言うか、自分が手を出せない辛さ…のようなものを感じてしまう。

 大体、試験というのは演奏する方だってもちろん緊張するのだ。普段通りの演奏など、なかなか出来るものではない。この間あれだけ上手く弾けるようになっていたのに…… (T_T)/~ などと感じることは茶飯事である。自分が弾くほうがよっぽど精神衛生に良いのではないか…とさえ思うことがある。試験を受け、演奏する側ももちろん大変だが、それを聞き見守ることしか出来ない先生のほうもそれなりに大変なのだよ諸君。

 演奏が終了したら採点用紙を回収して教務課へ提出。そういうのも大切な仕事である。滞り無く事務処理を行うために教員一同それなりに協力しているわけである。その道すがら、先程演奏した門下たちに会う

「……………………」

 お互い何となく黙ってしまう(笑)
 レッスン室に行っておくように…と言い残して私は仕事を片付けることにする。その後、自分の教室でお説教今日の演奏について今後に活かすためのアドヴァイスを行うのであった。

 その後、仕事に関しての電話を何本か掛けていると、他の門下生が部屋の外で呼んでいる。彼女は進路について自分なりにかなり悩んでいたのだが、少なくとも「ピアノは続けて行きたい」ということで「前向きに考えて行けるようになってきた気がする」と言っていた。

 進路ってのはなかなか難しい問題である。本人の考え、指導者側の考え、そして親の考え…など、色々な意見が錯綜してしまう。もちろん、みんなそれぞれの立場から、一番良かれと思う意見をサジェスチョンするのだが、あちらを立てればこちらが立たず… といった感じでなかなか一本にまとまらないものである。私立大学ともなると学費だってそれなりなので余計に難しくなってくるようだ。

 話をしているうちに次の試験の準備に行かなければヤバい時間になってしまった。話が何となく中途半端になってしまったことを謝りつつ次の仕事へ向かう。やっぱり私はいつも走っている気がする。

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 午後の試験は学部の1年生である。今年は全員同じ課題曲を弾くことになっている。ベートーヴェンのソナタの一曲だが……難曲なのである、それなりに(汗)。ソナタというのは、いくつかの楽章が集まって一曲になるのだが、この試験ではその全部の楽章を通して弾くことになっている。色々な要素が要求される。……難曲なのである、それなりに…っていうか、かなり(泣)

 長い曲を弾くときは、精神力の持続が大切になってくる。例え途中で何か失敗をしたとしてもそれをリカバーできるタフネスが必要だ。失敗が尾を引いてしまうようでは困るのである。でもそれを実行するのはとても大変(大汗)。音楽というのは時間芸術なので、どんな失敗をやろうがそれを遡って消すことは不可能である。だからそれは切り捨ててしまうしかない。その後しっかりと魅力のある演奏をすれば、トータルで良い印象を残すことは十分可能である。そういう考え方を最後まで持ち続けることができるかどうかが重要なポイントだ。

 例によって自分の門下生が弾く時というのは非常に緊張するもので以下略(爆)。一人当たりの演奏時間が午前中の試験に比べて長い 全曲演奏するのに約13分程度かかる作品だから ので、その緊張感もひとしおである。手に汗握る …とはこういうことを言うのだろう<それはちょっと違う(笑)。…………何とか壊滅しない程度には弾き終えてくれて、ホッとすることしきりである。

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 試験が終わってホッとするのもつかの間、頼まれ物の楽譜を借りに図書館へ急ぐ。なぜ急がねばならぬかというと、もうすぐ会議が始まることになっているからだ。部会である。重要な会議であるから当然遅刻など許されるはずもない 。当然走らねばならない。着いて目的の本を一生懸命探すのだが、こういうときに限ってなかなか見つけられないのは、もはや古典的なお約束である(笑) 探しているときには(笑)どころではなかったですが(苦笑)

 何でも急ぐと失敗するものである。借りたはよかったが、後でよく見てみると作品番号を勘違いしていました。「135」であるべきところを「153」を借りてしまいました。もう、日記に書けと言わんばかりのネタである(爆笑)。まあ、ネタが増えるのは良いことではあるが (T_T)/~~~

 会議には何とか間に合った。ホッとした。何だか今日はそればっかりである。しばらく色々な議題を審議した後、私を含めて何人かの先生方はちょっと他の仕事 のために会議を抜けることになった。急いで部屋を出る。もたもたしていると会議の進行を遅らせてしまうからである。

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 何でも急ぐと失敗するものである。その「他の仕事」を終えて、さて帰り支度…と思った時、コートを先ほどの会議室においてきてしまったことに気付き愕然とする。実は今日はこれから演奏会を聞きに行くことになっている。とある人から頼まれてチケットを受け取ったものなので、行かないわけにはいかない……

 この時点で既に19時近くである。当然日は落ちて外はとても寒い。だが会議はまだ終わっていない様子である。とても、「へへ、すんません。忘れ物っす」と、取りに入れるような雰囲気ではないだろう。

 仕方なく、もう少し大学に残られる先生に預かっておいてもらうことにして、私は上着なして夜の街を歩くことに決定。体を張ってネタを作るとは、お笑いを目指す管理人の鑑である (*_*) <もうヤケである

 向かう先は宝塚ベガホールである。交通手段は阪急宝塚線で清荒神駅下車。大学のある庄内駅からは普通電車で約30分ちょっとである。庄内には普通電車しか止まらず、普通電車はたいてい雲雀丘花屋敷という途中の駅までしか行かない。乗り換えなければならない訳だ。当然次の電車が来るまではホームで待つ。そう、寒空の下、風に吹かれながら(TT_TT)

 じっとしていると余計に寒いので、ホームを端から端まで行ったり来たり歩くことにする。そう、動物園のクマのように(笑)。動けば熱が生じるので、ジッとしているよりは暖かい。おまけにダイエットにもなるし、一石二鳥である。ナイスアイデア! …………
  む、虚し過ぎる。おまけになんか怪しい人 みたいだし。ああ、体を張ってネタを作るとはお笑いを目指す管理人の鑑である……って、もうええっちゅーねん(爆)

……………………………………………………………

 19時開演の演奏会であったが結局会場に到着したのは20時近かった。ちょうど休憩中だったので、後半からは暖かいホールの中で聴くことができた。風が無いって、こんなに有難いものだとは思わなかった(爆)。終演後は演奏者に挨拶をして、やっと帰宅。千里丘駅に着いたのはもう22時近くであった。

 さて、皆様はここまでに食事に関する記述が無かった のにお気づきであろうか。これは意図的に省略したわけではない。実際にそういう出来事が無かっただけである。つまり、私は夜中の10時になるまで、今日一日固形物を口にしていなかったわけである。さすがに缶コーヒーとかは飲みましたが いくらダイエット中の私とはいえ、こんな無茶をしたいとは思わない。たまたまそうなってしまっただけなのだが、流石にこれはかなり堪えた。

 嗚呼、体を張ってネタを作るとは………

…………

…………


 もうギブアップっす(@_@)


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