・・・その他お薦めコミックス

 少女漫画に比べると、その他のコミックスはほぼ10分の1ぐらいの数になってしまいます(^^; しかも趣味というかこだわりが変なので『お薦め』というのもちょっと気が引けますが、ここでは買ったコミックスから気に入ったものを紹介したいと思います。


「まほろまてぃっく」原作 中山文十郎・漫画 ぢたま(某)/ガムコミックス

 美少女メイドアンドロイド・・・とくれば「み・ら・くるみ」じゃなくてぇ(^^; 現代の三種の神器ヾ(^o^;ぉぃぉぃ でも、この作品が一番に違うのは彼女、まほろさんの寿命が限られている事。そしてその限られた時間の中で生きる道として彼女が選んだのが「メイドとして美里優に尽くす」ことでした。何故彼女がそのを選択したのか、その辺を含めた彼女のこれまでの生き様の一端を垣間見せながら、まほろが二人の家(関係)を徐々に築き上げていく様子が実に微笑ましいです。

 「捧げた、捧げた、捧げた・・・」とか「なんて不潔なっ!!」「不潔にならないよう、私がしっかり洗ってさしあげるんです。」とか「たっ?たったっ・・・タクアンだとぉ〜!!」と炸裂するギャグの合間に、『桔梗の人』のようなウルウル(;_;)があったりしてなかなかオッケーな第1巻です。あ、そうそうお約束でカバーは外してみましょうね(^_^)

【補足】2001年にアニメ化されBSiなどで放映。


「並木橋通りアオバ自転車店」 宮尾 岳/ヤングキングコミックス

 良いか悪いかは別にして、人間誰しも自転車に想い出があるんじゃないでしょうか・・・この本を読んで自分自身の昔を振り返りながら思いました。私はやっぱり初めて自転車に乗れた時のことを一番覚えています。すぅーっと走り出した時の気持ちの良さというか、自分の足で走った時とは違う、今まで感じた事ない感覚は子供心に感動したといえば大袈裟かもしれませんが、嬉しかったですね。
 さて、この本は自転車にまつわるいろんなエピソードを、「アオバ自転車店」という一軒の自転車屋さんをキーポイントとして集めていますが、個人的に一番好きなのは最後に収録されている筆者の方の実際のエピソードという「あの空とおんなじ」ですね。第1話とも繋がる親子の絆がとてもステキに描かれています。
読んだ後、ふと自転車に乗りたくなってしまいました(^_^)


「KaNa 全四巻」 原作 爲我井徹・漫画 相楽直哉/ガムコミックス

 は誰しも好むと好まざるとに関わらずを受け継いでを授かる。そして、それはならざる者、『妖』とて同じであり、『混(まじり)』にとっては単なる以上の重みとなってのしかかってくる。、その『混』である少女、もまた、一人の少年、祐二と出会うことで血の宿命を呼び覚まされ、次第に他の『混』達の策謀に巻き込まれていく・・・に染まった手にを落としながら。

重いストーリーの中に、小気味よく挟み込まれた登場人物の活き活きとした表情や仕草がテンポを与えて、非常に読みやすい仕上がりとなっています。ちょっと設定がステロタイプかなって気もしますが、絵の感じが+の方に作用しているためか、そんなに気にならずに読めますね。個人的には保護者的立場の由子さんと『狼』がいい味出していて好きです。

しかし・・・祐二ちゃんの手料理を食べるのは命懸けかもしれないなヾ(^o^;ぉぃぉぃ 


「FLAT Printed collection made of 30 graphics products」 ワニマガジン社

 30名のアーティストの作品の集積・・・ボキャブラリーの貧しい私にはこの「FLAT」に対する納得できる表現が見つかりませんでした。アンソロジーでも競作でもない、かといって無秩序かというと何か幽かな蜘蛛ののような繋がりが見える・・・あるいは見えているかのような錯覚に陥ってしまう、そんな不思議な『塊』です。個人的には安倍吉俊さんの「古街」が一番波長が合うというか、世界観の感じが好きですね。一つ一つの作品もいいですが、何故か全体を通して読んでみると別の意味で面白いなぁと感じるのがこの「FLAT」の魅力で、その意味では村田蓮爾さんの凄さみたいなのがでているんでしょうね。


「エイリアン9」 富沢ひとし/ヤングチャンピオンコミックス

 そこは宇宙からの異生物が珍しくない世界・・・小学校には次々と飛来するエイリアン対策係が当然のように存在していて、今年も第9小学校では3人、遠峰かすみ川村くみ大谷ゆりが選ばれた。彼女たちは三者三様の個性を見せながらも困難を乗り越えて成長する...んだけど、それだけで終わらないところがこのコミックの面白いところ。担当の久川先生が垣間見せる『教師の仮面の下』が、3人のこれからの過酷さを暗示しているような感じです。

 3人の中ではかすみちゃんが一番適応性が高そうなんですけど、個人的予測ではこんな子が一番“死にやすい”と思います。雰囲気的に『なるたる』と似た匂いがするので、もしかすると『死』以上に残酷な運命が待ち構えているのかもヾ(^o^;ぉぃぉぃ

《2巻では...》 あ〜、やっぱりというか何というか事態が急展開しています。かすみちゃんはアレされちゃうし、くみナニになっちゃうし。でも3人組は3人組のまま頑張る感じなので、そこが希望といえば希望なのかな?


「なるたる」鬼頭莫宏/講談社アフタヌーンKC
 この本は本屋の店頭に平積みにしてあったのを何気なしに買いました。結果は・・・喜び半分、悔しさ半分。喜びはズバリ私的にヒットだったという点、悔しさは今までこの人の作品(この本が初単行本に非ず)を知らなかったことに対して。速攻で『ヴァンデミエールの翼』を買いに行きましたよ。

 成龍乙姫龍骸と呼ばれるもの、そしてホシ丸・・・夏のある日、主人公のシイナが田舎の島の海の底でホシ丸を見つけたことから始まる物語は、これら異形の者達との出会いと戦いの物語、ってオビからコピーしてきたような言葉(^^; 何とも不思議な物語です。一言でいうと「本来のファンタジー」かな? 「本来の」ってのは個人的にファンタジーとか古来の童話というのは底に「得体の知れない何か」が隠れていると思うんです。昔の人々にとっての自然なんかがそうであったように、「なるたる」での異形の者達は『世界の一部』として存在しながらも『(人知の限界としての)世界の枠』にあてはまらない存在としての一面が、人々に恐怖や幻想、夢を抱かせるんじゃないでしょうか? 何にしても始まったばかりのこの話、これからのシイナとホシ丸が楽しみです。

 最後に・・・星形生物は一つ目だよねヾ(^o^;ぉぃぉぃ

《2巻以降》 シイナを襲った少年は「世界を変える」と言い放ち、ホシ丸が彼の体を串刺しにする...一挙に話が展開し、対立する者たち、寄り添う仲間、蠢く組織とスケールも大きくなりますが、のまま引っ張ってくれます(^_^;


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