千早樵夫

〜南朝の歴史を秘めた千早(金剛山)とそこに働く樵の対比を詠む〜

 霧がたちこめ、雲の行き交う山に分け入り、木を伐る仕事をしている樵夫は、身も世も静かである
 南朝の歴史を秘めたこのあたりの風物が夕陽の中で栄枯の夢を漂わせている
 しかし、樵夫には南朝の興りすたれはまったくわからない
 ほろ酔い加減で一曲口ずさみながら、月に乗ったようなうきうきした気分で山を下っていく