「さくら」第22号(1993年5月21日発行)


☆祝! 朝鮮高級学校インターハイ予選出場



昨日の朝刊に「朝鮮高級学校高校総体参加へ」という記事が1面トップでのっていました。東大阪にある大阪朝鮮高級学校や、いろんな人の訴えが不完全な形ではあるけれど実をむすんだ結果といえるでしょう。

でも本来あるべき姿は、朝鮮高級学校であろうと、韓国学校であろうと、どんな国の生徒であれ、日本に住んでいる15才から18才の生徒が在学する学校は高体連に加盟し、インターハイや各競技の選抜大会はそれらすべての学校を対象として開催されるというものではないでしょうか?

今回の成果は大きな前進ではあるけれど、日本全体がかかえている問題からすればまだまだ小さな前進であることはまちがいないでしょう。

ところで、この日本という社会の中には、というよりこの地球上には「なんで?」と首をかしげたくなるようなことがたくさんあります。

日本国内の話題で、「え?」と思うのはまず第一に日中戦争から太平洋戦争当時に日本人がアジアの人々におこなったかずかずの侵略行為の後始末です。

君たちも知っている従軍慰安婦、強制連行、強制連行された人々の広島、長崎での被爆。そしてその他もろもろのこと、そういうことに対して君たちの祖国は誠意を持った対応をすることなく「政府間での決着はついている。」としらんぷりです。  

第二は太平洋戦争で日本国内で唯一戦場となった沖縄です。住民の多くが戦争当時「天皇陛下万歳。」と叫びながら死んでいき、今なお広大な米軍基地が広がっていることなどを考えれば「リゾートだ。万座ビーチだ。」と浮かれる気にはならないはずです。

第三はアイヌの人たちのことです。江戸時代から明治時代にかけてたくさんの鉱物資源を求めて日本人たちは北海道を「侵略」しました。そして先住民であるアイヌの人たちの土地を奪い、彼らを狭い「居留地」に押し込めてしまいました。民族のとしての誇りや文化を奪い去ったまま。

第四は部落差別です。歴史的な成り立ちやその組織は日本各地で違うようですが、「その部落の出身である。」ただそれだけの理由で就職できなかったり、結婚できなかったりいろんな差別を受けている人たちがいます。

第五は在日外国人の人たちの差別です。中国出身の人、朝鮮民主主義人民共和国出身の人、大韓民国出身の人などのいわゆるいままで言われてきた「在日 の人」に対する差別はもちろんのこと、最近増えてきているイランや東南アジアからの出稼ぎの人たち、そのうちのいわゆる不法就労者に対する社会的福祉のたちおくれが現在問題になっています。

横浜の方では病院が「互助組合」のようなものをつくって医療費をみんなで負担しようとしていますが地方自治体レベルではまったく手つかずの状態です。 

今回全国高体連は特別措置として高校生と同じ年代の生徒たちが学ぶ朝鮮高級学校、各種専修学校、高専などに対して来年度からインターハイ予選への参加を認めました。

これはこれで喜ばしいことですが、朝鮮高級学校の人たちが要求しているのはあくまでも「高体連への加盟」であって、「インハイ予選に出ること」だけではないのです。

僕は政治にはうとい方です。選挙もときどきはサボルことがあります。特定の政党を支持しているわけではありません。

でも日本という国が、朝鮮高級学校の高体連加盟だけでなく上にあげたようないろんな問題をちゃんと解決していけるか?それはきちんと見守っていこうと思っています。

君たちも21世紀の日本を背負って立つひとりとして「自分の祖国が今、どんな問題をかかえ、それをどう解決しようとしているのか、それともどうごまかそうとしているのか。」それをはっきり自分の目で見守り、確かめることによって、きちんとした自分の意見を持てるようにしてください。

補足 上に書いたことについて担任の不勉強のために事実を誤って書いている部分があるかも知れません。そのときは誤りを指摘してください。


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