三太の発達日記
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2004年6月3日(木) 4才10ヶ月 保育園のサポートの実際
昨日、保育園へお迎えに行くと、園庭で担任の花子先生(仮名)が三太になにやら話し掛けていました。
「どうしたんですか〜?」
と聞くと、
「明日は『みんなの日』なので、お教室がバラ組(年長)さんになるって説明してたんですよ」
という話。『みんなの日』というのは、地域のまだ保育園にも幼稚園にも行っていない母子が保育園に遊びに来る日で、市の子育て支援事業の一つのようです。そして、先月のみんなの日は、雨だったこともあって、三太は一日不機嫌だったのでした。
ところで、花子先生は、この前の面談の時も思ったのだけど、発達障害のことをよくご存知なのかもしれません。自閉症の子に、予定を事前に教えておくのは基本ですもんね。こうやって、気にかけてもらえて、けっこう感動してしまいました。花子先生、ありがとう。
でも、肝心の三太は、そっぽを向いてちっとも聞いているようには見えません。なので、
「あまりわかってないようなので、おうちでもお話ししてみて下さい」
ということでした。
そこで、家に帰ってから、紙に「あしたはみんなのひです」と書いて、保育園の教室の見取り図を書き、
「あしたは、三ちゃんはバラさんのお教室であそびます」
と教えました。紙に書けば興味を示す三太。
「三ちゃん、バラさん?」
とか、言ってます。そこで、
「じゃ、コスモスさんは?」
と、三太の教室を指差して聞いてみると、なんと、
「あかちゃん」
と答えました。聞いてないようで、花子先生の話をちゃんと聞いているんですね。びっくり。だけど、状況をどこまで把握できているのは、かなり疑問です。
「三ちゃんはバラさん」
と言っているのを聞くと、教室だけじゃなく、全部バラ組になると勘違いしているようにも見えます。
そして、今朝。保育園へ送り、いつものようにコスモス組の出欠簿に記入しようとすると、
「ばらさんでしょ」
と怒られてしまいました。やっぱり勘違いしてました(苦笑)。
2004年6月4日(金) 4才10ヶ月 本当に自閉症なの?
検査を受けて、「高機能自閉症(の疑い)」と言われて、やっぱり...と思ったのも事実ですが、日々成長する三太を見ていると、「本当に自閉症なの?」と思うことも多々あるのです。
幼い頃には自閉っぽくても、成長とともに変わっていくなら、それは障害とは違う。三太もそのケースなんじゃないの?...と。
最近、保育園のお迎えの時に、三太が何をしているのか見るのが楽しみです。
以前は一人でパズルをしてるか、お絵描きをしてるか、とにかく一人で遊んでいることが多かったのですが、最近では、時々、お友達と一緒にパズルをしてたり、トランプゲームの輪に入っていたり、日が長くなって外遊びをしているような時も、お友達となにやら楽しそうにしていたり...そんな様子を見ると、
「ちゃんと、お友達と遊べるじゃないの。大丈夫じゃん!」
と思ったりするわけです。
で、昨日。子供達は園庭で遊んでました。さて、三太は...テラスに一人座ってなにやらやってます。そして、私を見つけると、
「あ、ママ〜。みてみて。」
見ると、お砂場で使う虫型の容器が6つきれいに並べてありました。
2004年6月7日(月) 4才10ヶ月 歩いて登園
三太はもうすぐ5才ですが、一人で公道を歩かせることができません。
よく「はじめてのおつかい」のドキュメントで、3〜4才の子が一人で歩いてますが、三太には無理です。
なぜなら、興味を引くものがあると一目散に駆け出してしまうから...。
最近では、道路に引かれた白線に興味があって、長く引かれた白線の上を歩くのは当然のお約束。住宅街の交差点に書かれているT字や十字の白線の上に立ちたいというこだわりも出て、危険でしかたありません。車や自転車を降りてから目的地までの短い距離でもおとなしく手をつないで歩くことは難しく、つないだ手を振り払って駆け出すので、こうなってしまうともう闘いです。
しかし、昨日の日曜日、近所の公園まで三太と歩いてみたところ、おとなしく手をつないで歩けたのでちょっとびっくり。
「ネコさんいたね」「おはな」「あんてな」「あれはなぁに」
と、目に入ったものの名前を言ったり聞いたり、おしゃべりしながら楽しく歩けたのでした。
三太の通う保育園は徒歩10分くらい。子供の足で15分くらいです。今までは、送迎は車か自転車でしたが、今日は雨。試しに、
「三ちゃん、保育園に車で行く?歩いていく?」
と聞いてみたところ、
「歩いていく」
と言うので、初めて徒歩で登園しました。
最後まで手をつないで、途中で脱線することもなく真っ直ぐ保育園に到着。「歩いて保育園に行く」という目的をはっきり持てるようになったんですね。三太、大きな進歩です。
しかし、いつもと同じ時間に家を出たので、到着時間は遅くなってしまいました。雨なのでみんなは室内です。副園長のT先生がいたので、私が、
「おはようございます」
と挨拶すると、先生も三太に向かって、
「三ちゃん、おはよう」
と声をかけてくれましたが、三太は無視。T先生の顔を見ようともしません。
家にいるとあまり気付きませんが、やっぱり、慣れている大人と慣れていない大人とでは態度が全然違うんですね。
私が、
「ほら、T先生に『おはよう』は?」
と言うと、そっぽを向いたまま、聞こえないような小さな声で、
「おはよう」
と言ったのでした。保育園には、三太が「高機能自閉症かも」ということは伝わっているはずなので、T先生もそんな三太をニコニコしながら見てくれてました。
相手によっては無愛想なヤツですが、暖かく見守ってやって下さい。
2004年6月8日(火) 4才10ヶ月 虹
昨日、保育園のお迎えに行くと、雨上がりの園庭で子供達が空を見上げて大騒ぎ。その指差す方向をみると大きな虹が出ていました。
さて三太は...と見ると、一人スズメを追いかけてます。そして、私を見つけると、
「ママ、みて、あれ、ツバメ」
それはスズメ...(苦笑)。
そこで、三太を抱き上げ、
「ほら、見てごらん。虹。」
と空を見せると、ようやく虹に気が付いて、
「わぁにじだぁ。あかときいろとオレンジとみどりがあるね。むらさきは?」
などと大はしゃぎ。
その前に、周りで子供達が大騒ぎしているのに、「なんだろう?」とは思わないのね、君は。
ところで、今朝も保育園へ「歩いていく」と言う三太。
2日目となると、慣れてきたのか、時々つないだ手を振り払おうとします。昨日と違っていろいろ興味を引くものに気付いてしまっているんですね。タヌキの置物とか、マンホールとか...。
その度に、
「お手々つなげないなら、もう歩いてこないよ」
と言う私。それで、なんとか保育園まで手をつないで歩いたのですが、明日はもう限界かな?
特にマンホールに興味を持ち出したのは危険だ。
2004年6月10日(木) 4才10ヶ月 きれいなおねえさんが好きです
昨日は病院の日でした。
三太を遊ばせながらY先生と診断をどこで受けるかとか、その他諸々の話をする50分。三太の場合、言葉はあるけれど社会性が低いので遊びの中のやり取りで感情を共有するような経験をさせていくのだそうです。
こういうところへ来ると、「せっかく来ているのに遊んでいるだけ...」という不満が保護者側に生まれがちですが、子供への接し方を保護者が学ぶ場でもあるんですね。
もっとも、三太の場合は早くから保育園にも行っているし、家では長介や次郎もいるし、けっこう普段から「正しい接し方」はそこそこできているんじゃないかなぁという気はしてます。ただ、「楽しく過ごす」という本能のままに生活しているだけなので、こだわりや癇癪に対する対応は、学ぶことも多々あります。
昨日は、三太はフィッシングゲームに興じてました。電動で口をパクパクさせながら回る魚を釣り上げるという玩具です。50分ずっとこれをやってました。うまく釣れた時に、
「やったぁ」
と得意げに私やY先生を見たり、
「三ちゃん、すごいね。やったね」
と一緒に喜んでみせると、ますます得意げになったり...普通の子に見えます(笑)。
でも、半年前から大きく変化してきて今があるわけで、放っておいても今の三太があったかどうか...それは誰にもわかりません。一人の子が同じ時間を2回過ごすことはできないのですから...。
ところで、三太には保育園で朝、ママと別れる時にはこだわりというか「儀式」みたいなものがあります。
ママに抱っこ→先生に抱っこ→握手でバイバイ
で、この「先生に抱っこ」にこだわりがあり、たいていは花子先生なのだけど、花子先生がいない時は本人なりに「代わり」を探してます。時々、お気に入りのお友達でもよくなって、その子と手をつないで、ママと握手でバイバイというのもOKだったり、少しずつパターンにも変化が見られるようになってきているのでした。
ところで、今週から臨時で新しい先生が来ました。若くてきれいな初々しい新人の姫子先生(仮名)です。昨日は朝、花子先生がいなかったので、三太は姫子先生に抱っこでバイバイしました。
そして今朝。花子先生がいるにもかかわらず、私が三太を抱っこして、
「今日はどこでバイバイするの?」
と聞くと、黙って姫子先生のいる方を指差します。そして、姫子先生のところへ連れて行き抱っこしてもらうと、ベターッと抱きつき満足そう。どうやら、姫子先生が気に入ったようです。
きれいなおねえさんが好きなのね。
2004年6月11日(金) 4才10ヶ月 意味不明な会話
三太が、言葉をたくさん知っていてよく話すのに会話ができないということは何度か書いていますが、それがどういうことなのかよくわからないという人は多いのではないかと思います。
夜、車の中での会話。私は運転、三太は後部座席でチャイルドシート。
三「きょう、きんようび?」
私「そうだよ。よくわかったね」
三「やった!きんようびだぁ」
私「金曜日だと、何があるの?」
三「きんようびでおさんぼ」
私「お散歩?金曜日はお散歩なの?」(保育園でそういう話があったのかな?でも、もう夜だよ)
三「うしで、ひなちゃんいるから、おさんぽで...」
私「ひなちゃんって誰?」
三「ひなちゃんが、あかくて、それで、えっと、えっと...」
このあたりから、会話不成立。
三太の一見意味不明な話も、「ああ、あのことだな」とわかる場合もよくあるのですが、これはお手上げでした。
「うし」がどこから出てきたのか、「ひなちゃん」が誰なのか、全く見当がつきません。今日は金曜日だけど雨だったので保育園でお散歩があったとは思えないし、絵本とか紙芝居のお話かな???
また、最近「時間の流れ」に興味が出てきたので、こんなことも言います。
三「きょう、あさ?ひる?あき?よる?どれでしょう?」
(なぜ、一日の中の話で季節が出てくる?「どれでしょう?」と聞かれても困るんですけど...。)
私「夜」
三「ブッブ−。せいかいはひるでした」
私「昼ってなにが?」
三「だってひるだから」
やっぱり会話不成立です。
2004年6月15日(火) 4才11ヶ月 今日、保育園で何したの?
三太に聞いてみました。
三「ゲジゲジ、ゴキブリ」
私「ゲジゲジとゴキブリがいたの?」
三「あとダンゴムシ」
私「ダンゴムシもいたの?」
三「バケツ、ザル、シャベル」
私「???」
三「それとじてんしゃ」
なんとなくわかるけど、そして、三太には三太なりの伝えたいストーリーがあるとは思うのだけど、言っているのは「単語」だけです。
だけど、CMやお笑いトークの台詞や絵本やTVゲームの文は流暢に言えて、それらの単語を差し替えればいいだけの表現ならできるんですよね。
次郎がゲームをしているのを見ていて、画面と次郎のリアクションを記憶している三太は、
「おぉ、ジロにぃちゃん、すげぇ〜。たいりょうゲットだ!」
なんてことを言ったりして、とても単語しか言えない人間と同一人物とは思えません。
2004年6月16日(水) 4才11ヶ月 昨日のお迎え三太
昨日、保育園のお迎えに行くと、子供達は外遊び。
先生が、
「三ちゃん、さっきまでお砂場の方にいましたよ」
園庭の隅っこにある砂場の方へ行って見ると、三太は砂場の周りをグルグル歩いているところでした。
2004年6月23日(水) 4才11ヶ月 迷惑なこだわり
今日は、長介が部活の大会で1時間早く家を出て、しかもお弁当だというので、いつもより1時間早く起きる...はずでした。
ところが、朝、ふと気が付くと予定の起床時間を30分も過ぎてる!
慌てて飛び起き、
「なんで目覚ましが鳴らないのよぅ???」
と、時計をみると、アラームがいつもの時間に戻してありました。
三太の仕業です。夜中に起きて戻してしまったに違いない!
はっきり言って迷惑です。