三太の発達日記

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2005年2月12日(土)  5才6ヶ月     パニック

三太は、思い通りにならないと癇癪を起こします。それがパニックだとわかったのは、自閉症のことを知るようになってからですが、知らないと、ただの躾の悪いワガママに見えます。
正直、見ただけでは私にも違いがよくわからないのですが...。

先日の事。
買い物の帰り、夫と三太が自販機にジュースを買いに行きました。私は車の中で待っていたのですが、なかなか戻ってきません。そのうち、三太の泣き叫ぶ声が駐車場中に響きました。
「あ〜あ、やっちゃった」
と思っていたら、怒る夫が暴れる三太を抱えて戻って来ました。欲しいジュースが買えなくて、夫の「こっちにしよう」に納得せず癇癪を起こし、その態度に夫が怒って、「じゃ、買わない」ということになったらしい。
車の中から見ていると、泣き叫ぶ三太を無理やり抱き上げ、抵抗するので、服がめくれてお腹は出るし、暴れるので、小脇に抱えるようにして連れ戻す様子は、まるで誘拐か虐待です。
我が家では、見慣れた光景ですが、下手すると通報されます。
救いと言えば、三太が、
「パパのバカ!ジュースかう!」
と叫んでいるので、親子で子供に非があることがわかることでしょうか。言葉が出なかった頃は、私もよくやってましたが、本当に誘拐犯の様でした。

戻った夫に、
「怒ったら、パニックになるのわかっているのに、ちょっと我慢が足りないよ」
と言うと、
「俺は、相当我慢したぞ」
と言われました。
はいはい、わかりますよ。納得しない三太を相手にパニックを起こさないように切り抜けるのは、相当の辛抱が必要なのです。

こういう場合、どうするかと言うと、とにかく、静かに「そのジュースは買えません」と言い続けるしかありません。何度か言っているうちに、三太も「買えないのかな?」と気付きます。気付かなければ、気付くまで待ちます。途中で様子を見て、買えない理由も伝えます。売り切れランプがついているとか、お財布に小銭がないとか、炭酸入りで三太には飲めないとかです。この理由をまくし立てるように言っても、三太には理解できないことが多いので、わかっているかどうか見極めながら言うのが重要です。
で、こっちの「買えない」が伝わったと思ったところで、
「じゃ、こっちのにしようか」
と切り出すと、素直に従える場合もあるのです。
「場合もある」というのは、それでもダメな時はダメなんですが、最近では、かなり言葉を理解するようになってきたので、ダメでもパニックになることは少なくなってきました。

さて、車に戻った二人ですが、夫は怒っているし、三太はずっと泣き叫んでいるしで、帰路は大変でしたが、家に着くまでには三太のパニックも治まりました。
こういう子供を見て、「甘やかしていて、親の躾がなっていない」と感じる人は多いと思いますが、そうじゃない場合の方が多いんじゃないかと、最近では思うのです。

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Akiary v.0.51