Feuillet d'album / 音楽帳の一頁

開店企画(笑)! 演奏会が出来るまで
もしくは、本番前修羅場実況中継(爆)


2001年5月20日 (日)

 さて……である。
 我らが記念すべきアルス・ノーヴァの第10回演奏会は無事終了した。打ち上げも盛り上がった(笑)。
 喰ったら眠くなると分かっているにもかかわらずバカ食いし、その通り今も非常に眠い。 ←やっぱり馬鹿

 それでも何とか終了したのであった。自分の中では心残りや反省点も問題点も、いや、そんな言葉では言い尽くせないほどに本人としてはかなり鬱が入ってしまいそうな 仕上がり具合だったのだが(くどいって)、それでも一応の区切りは付いてしまったのである。

 だが、まだ終わらないのであった。私には今週の土曜日にもう一つ、45分ほどの本番がある。それの練習に取り掛からねばならないのであった。

 開明中学・高等学校のPTAからの依頼である。新しいピアノ(ヤマハのC7だそうだ ←ううん、太っ腹ですねぇ。いいピアノだけど、その分高いんです、アレは)を寄贈するに当たってお披露目演奏会をやるという設定なのである。

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 やらなければいけないことをちょっとリストアップしてみることにしよう。

演奏曲目の練習 …… 当たり前でんがな(爆)。
 幸いなことに、今回予定しているものの中には新曲 (一から譜読みをしなければならない作品) は無い。だが、45分のプログラムといえばそれなりの量である。
 今回のアルス・ノーヴァでの演奏曲も当然入っているが、それ以外にも5曲ほど解凍しなければならないのだ。 (注……「解凍」とは、いままでに練習した曲を練習して思い出して、再び人様の前に出せる状態に復元することを指す私のスラングである。)
 また、当然アンコールも用意しなければならない。プロフェッショナル としては。もちろん、アンコールをして頂けるかどうかは分からないが(笑)、せっかくの時に「出来ません」ではプロ失格 なのである。さて、何の曲をすればいいのやら(汗) ←まだ決めてないんかい(-_-;;) 。
 歌曲の伴奏の譜読み
 先方の学校の音楽の先生(今年から赴任された方だそうだ)が、声楽科出身ということで、「せっかくだから 歌ってもらおう」ということになったらしい。PTAとか偉いさん方の会議の席で。
 ちなみにそれを知らされたのは確か木曜日くらいだったはずだ。早速ピンチである。当然だが、依頼が来る時までは、そんな仕事は計算に入れてなかったからである。
 校歌のアレンジ
 今回の仕事で最も厄介なのがコレである。まあ、いわゆる贈呈式のような雰囲気なので、新しいピアノで学校の校歌を高らかに演奏…ということらしい。これは仕事の依頼を受けた時点で決まっていたことなので、しょうがないですね(爆)。
 もちろん、アレンジを考え、ある程度は楽譜に書き (頭の中で考えただけで弾ける程度だったら苦労しないんだけどね) 練習をしなければならない。おそらく最も時間を必要とする作業になるだろうと予測される。

 …………書いていて嫌になってきたかも(泣)。おまけに食べ過ぎて眠いし ←そりゃ自業自得でんがな 。

 言い訳になってしまうのだが、やっぱり本番の後というのは疲れるものなのである。普段の練習量から考えたら、微々たる時間しか弾いていないはずなのに、やはり本番という「場」での集中はそれなりに想像を絶するものらしいのだ。

 コレの疲れが、後から来るというのが始末が悪い。しばらくは、アドレナリンのおかげでハイな気分と高揚感が続いているのだが、それが退いてくると猛烈に眠気と疲労が来る のである。現在時刻は…24:30……。あ、…たまらん……もう眠くて…………

 仕方なく、窮余の策として30分の仮眠を取ることに決定。目覚ましをセットし、床に寝転ぶ。ちなみに目覚ましは携帯のスケジュール機能を利用している。電話の呼び出し音が鳴り響くと結構よく目が覚めるものである。そういえば外国へ行ったときも、我が携帯電話は目覚ましとして立派に働いておった。偉い偉い(^^;。

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 結局二度寝してしまい起きたのは25:30。……弱ッ…(T_T)。まあ、しょうがないと言えばそうだけどね、何しろ本番終わった日だから。 ←何でもそう言えばいいわけじゃないです(苦笑)。 
 不思議なことに、二度寝といっても目覚ましはちゃんとセットし直しているんですね。睡魔に襲われながらも最後に残された音楽家としての理性(爆笑) がなせる技なのだろうか
 仕方がないので取り敢えず、伴奏の譜読みだけでもチェックしようと思い、練習室にお篭りである。曲目はグノーの「アヴェ・マリア」と、アレッサンドロ・スカルラッティの「すみれ」である。

 グノーは、いわゆるバッハの平均律を伴奏にしているので、 (もともと知っている曲なので) 単に移調して弾けば良いだけで、これは苦労無くイける。5分もあれば十分である。 ←偉そうに(^^;;;; 

 「すみれ」は、いわゆる古典歌曲と言われるものだが、この曲の伴奏はちょっとめんどくさい。歌のパートとの掛け合いがたくさん出てくるから相手のメロディーをよく読んでおかなかればならないからである。…………眠気を孕んだ私の頭 にはちょっと辛いものがあります(笑)。

 ……結局1時間ほど練習してカミングアウト。現時点で約26:30。寝ます。風呂入って歯磨いて寝ます。誰が何と言っても寝ます。寝ます…寝ます…寝ます……… (以下無限ループ突入)…………


2001年5月21日 (月)

[大学出校日のそれなりに忙しい日常]

 07:30 …… 起床、出掛ける準備、出勤。
 09:30 …… 大学に到着。練習開始。
 10:00 …… 学生来室。レッスンに突入。[結果…練習時間30分 ]
 12:50 …… 昼休み、昼食。合い間を縫って練習。
 13:30 …… 授業再開。再びレッスンに突入。[結果……累計練習時間65分 ]
 15:00 …… 授業一旦終了。ちょっとだけでも練習。

 ここまではレッスンの時間、これからは学内の仕事です。

 15:15 …… 会議その1。[結果……累計練習時間75分 ]
 会議延長約15分(泣)、仮眠約20分(爆)

 17:00 …… 会議その2。
 この会議は基本的にちょっとしたミーティングのようなもので本来15分程度で終了する予定だった………のだが、予定が予定通りに進むことは何時の世にもそうは無いことで、結局1時間掛かってしまった。おかげで、17:00からの予定にしていた学生のレッスンが出来なくなってしまうことに(泣)。おまけにその学生ってば来週から教育実習なので更に2週間も空いてしまうという悲劇。……まあいいや、ちょうど曲が一段落したところだったので今のうちに譜読みとかしてもらって、実習終わった頃に補講をすることにしよう(^^;;。

18:00 …… 会議終了後の雑用(爆)
 会議で決まったことを掲示してもらうための資料作り。ご丁寧に手書きしなければならないのです。いや、私は字を書くのは嫌いではないので、普段なら全然おっけーなのですが、さすがにこういう状況では、何と言うかこう、乾いた笑いが漏れてしまうというか気が遠くなってしまいそうというか ……。いいです、仕事ですから(泣)

 20:20 …… 師匠宅に帰還、食事、仮眠。
 さすがに気を張り詰めっぱなしの学校の仕事は大変です。ちょっとだけでも休まないと、集中力が回復しないです(T_T)。

 21:00 …… ガツガツと練習。
 ようやく少しまとまった練習ができる時間帯です。師匠には迷惑を掛けっぱなしですが(汗)。途中、遊んで欲しがるショパン(犬…ゴールデンレトリバーです)をなだめつつ、いくつもの曲を次々に弾くべし、弾くべし弾くべし……!!!!

 24:00 …… 練習終了。 こんな遅くまですみません m(_ _)m という感じなんですが。

 結果的に、本日の累計練習時間は、実質的に225分程度……ということは約3時間半ちょっと、ってことですねぇ。

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 さて、ここで問題です。今回私が演奏会で組んでいるプログラムは、全体で約45分間(長短取り混ぜて9曲)です。今日の練習時間で、いったいどの程度のことが出来たでしょうか?

 大体ですね、演奏会に出すための練習ともなれば、本来1曲について1時間以上、長い曲や難しい曲ともなれば2時間3時間とかけて練りこむのが当たり前なんですよ。曲数から考えても、決して満足…どころか絶望的に時間が足りてないことが分かっていただけるんじゃないでしょうか。

 これはもう、「それなりに」の域を通り越して「多忙」と言っていい状況ですよね。当然、これでは足りませんからまた自宅へ帰ってからも練習に追われるということになるわけです。もうイヤ(泣)


2001年5月22日 (火)

 当然のことながら眠い。 ←そればっかしですな(苦笑)。 

 今日は大学はお休みです。いや、正確には、私は行かなくてもいい日です。ということは、一応一日練習時間が取れるわけで、やっと少しホッとする感じですか。

 でも、当然ながらレッスンは入ってきます。今週の25日、26日には、茨木市の新人演奏会があるのですが、私の門下生が二人、それに出演することになっています。当然、卒業生ですから大学でのレッスン時間の計算には算入されて無く、こうして休みの日に行うことになるわけです。

 レッスンのための時間、そして練習のための時間……それをバランス取りながら両方上手くいくように何とか頑張るわけで……

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 時間があればあるだけ、じっくりと練習してしまうのがピアニストの性(さが) というもののようで、結局昼間には今ある曲を練りこむ作業しか出来なかったので、必然的に残された仕事……今回最も大きな荷物である「校歌のアレンジ」は夜の作業ということになってしまうのであった。

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 さて、25:45である。これから編曲を開始するわけだ。取り敢えず、頂いたCDを聞いてみる。ちなみにプレーヤーは今もこうやってホームページの原稿を書いているパソコンである。私の自宅には、いま自分がマトモに使えるCDプレーヤーはこれしかないのであった。だからこれがクラッシュすると、もうどうにもならないことになってしまうのである。……綱渡りのような仕事のやり方じゃのぉ……(TへT)。

 聞いてみると、Midiによるオーケストラアレンジが施されたものであった。聞いた感想ですか? え、まあ、校歌だなぁ……という感じっていうか(笑)。 ←ほら、元気のいい感じとか、付点リズムが多かったり、学校名を連呼するところとかね。

 ところで、今回の仕事で使える資料は向こう側からいただいたCDが一枚のみである。そこにメロディー譜は付いているのだが、こんなものは有っても無くても余り変わりない。その程度を聞き取るのは造作も無いことだからだ。

 問題なのは、それを「ピアノ一台で」「ある程度オーケストラ的な広がりをもつように」聞こえるようなアレンジを、つまり伴奏を工夫できるのか、ということなのである。

 では、作業をはじめるとしましょう。レシピ(笑)は大体こんな感じ。

  1.  まず、旋律を自分の五線紙に写し、CDを聞きながら低音を書き取るアウトラインを掴むわけだ。
  2.  次に、和音付けをメモしておく。こういったシンプルな作品の場合はコードネームを書いておくと分かり易くて良い。
  3.  特徴的な対旋律(合いの手に入るちょっとしたメロディなど)や伴奏のリズムをチェックする。こういう要素は、その作品の「味」を出している場合が多いので結構重要なポイントである。

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 そんな感じでラフスケッチが出来上がる。言葉で書くと簡単なようだが、何度か聞き直しながら作業をして、大体ここまでで所要時間が約30分足らず という感じである。一応クライアントの大切なステイタスである校歌なので、間違いがあっては大事である(笑)。聞き取ることよりも書くことにどうしても時間がかかってしまうようだ。楽譜を作る(書く)って、それなりに手間の掛かることなのである。

 で、今度はこれをちゃんとした体裁に仕上げていくのである。ここからが本来の「アレンジ」という作業になるわけだ。

 今回私はこの仕事をやるにあたって、目標を立ててみた。

出来るだけ楽に弾けるような編曲にする(爆)。

 ……いや、その(^^;;;;;;;…、……こういう作品というのはやたらと凝った事を考えるよりも、本来の旋律線がはっきりと浮き上がるような形にするべきだということです(大汗)。

 この校歌は3番まであるが、それらを全て異なったアレンジにする。

 単純さが必要といっても、全く同じというのは平凡すぎるし、私のプライド(爆笑)が許さないので、何らかの形で3回の繰り返しに変化をつけるということ。

 その点を考えに入れて、元々の元気の良い、行進曲風な雰囲気を保ちながら、色々と鍵盤の上で探って行くわけです。音域を変化させる、和音の厚みを変えてみる、部分的に和声を組替えてみる……そうした色々な手を考えながら全曲の構成を決定していく。

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 そうして大体の目処が付いたのが28:00を廻った頃……つまり、スケッチが挙がってから約1時間半ですか。その間に伴奏の大体のパターンを決定し、それに沿って手の運びを練習する。一応全曲の形がついたのがこの頃というわけです。

 今日はここまでにしておこう。そしてこれを明日からある程度弾き込んで、手に馴染ませる作業が待っている……。はぁ……短期間で仕上げるというのは楽じゃないです、ホントに。


2001年5月23日 (水)

[天使と悪魔のせめぎ合い(笑)]

 水曜日は出校日である。ということは、練習時間が取れない日 ということである(爆)。

 おまけに、この曜日は今年の私のスケジュールでは最も過密な一日になってしまっている。10時過ぎに最初の生徒が来てから、午後6時半になるまでぶっ続けである。もちろん休み時間とか昼休みというのはあるわけだが、学生からの質問があったり、切りの良い所まで進めておきたかったりすると、すぐに時間というのは過ぎて行ってしまうものである。

 まあ、そんなわけで、私は普段は、大学に出る日は、「余り練習が出来ない日」という風に考えている。レッスンをする時はそれに集中するべきだし、どっちつかずの精神状態では練習にもレッスンをすることにも集中出来ないからである。

 普通は……である…………

 でも今は、かなり特殊な、というか、追い詰められた境遇である。それこそ、10分といわず1分だって空いている時間があればピアノに触っていたい……そういった極限に近い状態である。とにかくゆとりが無いのだから。

 そこでどうすればいいのだろう。…………よからぬ考えが頭をもたげて来る……。

 レッスンを程々にして切り上げて、出来るだけ練習に充てる。普通に考えれば、それが一番賢い選択肢かもしれない。足りない分はまた次の機会にでも時間を掛ければいい、今一番切迫していることを処理しなければ本末転倒なのではないのか……。

 それとも、仕事は仕事として、時間いっぱいきっちりやり終えるべきなのか……。教職につくものの誠意として。

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 そうした迷いが無かったといえば嘘になるだろう。

 でもね、

 結局そんな事を考えていても、レッスンをしていると時間って経ってしまうものなんですね、これが(爆)。というより、考えている余裕など無いといった方が正しいかもしれない。

 学生が弾けば、問題のあるところでは自然にもう体が反応してしまっている という感じ。結局気がつけば、ほぼレッスン時間も終了間際ということになってしまうわけでして。

 まあ、それなりに誠意のある音楽家なら、そういうものなんでしょうね、きっと。もちろん、程々の区切りになれば、今日はそこで終了させてもらった。

 ……何と言うか、なるようにしかならんのだなぁ(^^;……って感じである。

 きっと、それでいいんだよ、うん。

 残った時間で出来る限りの事をする。そういった、最大限の努力と工夫をすることがきっと大事なんだと思います。

……もちろん、どちらにしたって時間は足りないので、夜中に練習しなければいけない事態は変わり無いんだけどね(苦笑)。


2001年5月24日 (木)

 今日も今日とて練習〜〜。ひたすら前を見て、完成を目指して練習〜〜〜〜〜〜。

 集中力が鈍ってきたらちょっとだけ休んで、再び練習〜〜〜〜。

 結局コツコツと積み上げていくしかないんですよね、こういうのって。
 だから練習〜〜〜〜〜。

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ほんのちょっと、メドが付いてきたかも(喜)。

私の頭もその分、ちょっとイカレてきているかも〜〜〜(泣笑)。


2001年5月25日 (金)

 いよいよ前日である。

 一応書いておくが、今日大学の出校日である。

 今日は午後6時までレッスンである(泣)。

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 昨日の必死の練習の成果も現れてか、少しマシになってきたような気がする。
 とはいえ、ここが踏ん張りどころでもある。  前日といえば、思っても見なかった問題点が発覚する確率が最も高い(笑)日なのだから。

 つまり、一生懸命部分的な練習をして、何とか最後まで辿り着いて、さて全体をまとめてみましょうか的に全曲を通して弾いてみると、表現上のバランスがかなりいびつに仕上がってしまっていたとか(汗)、暗譜が大変なことになっていたとか(大汗)、もっと酷いと、仕上げの速さで弾いたら最後まで体力が続かねぇ!とか(滝汗)…………まあ、色々あることも多いということなのである(TT_TT)。……今回は、何とか今のところは大丈夫そうだけれど(^^;;。

 悲しいことにこれらは全て実話であり、過去に私が通ってきた険しい道なのである。それらがその後の練習に役立つように、糧となるように努力しなければならない。それは十分判っているのだが、思ったように進まないことも多く…………人間って愚かな生き物だよねぇ(遠い目)  ←達観している場合ぢゃありません(笑)

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 そんな中で、一番まとまりがつきにくいのが何かというと、これが伴奏だったりする。

 言うまでも無く、ソロ…いわゆる独奏(一人で演奏する)…とは違って、伴奏というのは誰かの演奏に合わせてこちらが弾くわけで、自分の考えたとおりの曲の流れになるとは限らないわけである。

 特に歌曲の伴奏というのは、息継ぎの場所とか、外国語を喋る時の言葉の「勢い」のようなもののリズム感なんかがあって、おまけにそれは歌い手それぞれによっても全く違っていて、 ←それがいわゆる「個性」にもなるんだけどね ぶっちゃけた言い方をすると、「やってみるまでわからない」的な要素がかなり大きかったりするのである。

 当然速さの設定とか、歌い方(専門的に言えば「ルバート」の加減など)は、最終的に決定するのは相手と一度リハーサルをしてみてから、ということになるのである。

 そんなわけで、私としては一度早めに「合わせ」をしておきたかったのだが、まあ私の方の仕事の状況もあり、前日である今日、歌い手の方……先方の学校の音楽教諭である……が、大学の私の部屋まで来て下さることになってたわけだ。

 実は、今日は茨木市の新人演奏会があり、私の門下が出演することになっている。だが、私のそういう事情のせいで聴きに行ってあげることが出来なくなった。仕事のためとはいえ非常に残念である。彼女にも悪いことをしたかな…と反省しているのだが。

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 やってみて思うことは、やっぱり人の感じ方ってそれぞれなんだなぁ… ということである。さっき書いてたそういう色々な要素について、やっぱりと言うべきか当然と言うべきか、微妙な違いがあるわけです。もちろん、そんなものが無いのなら、事前にリハーサルをする必要性なんか無いわけだから、それはもう当たり前のことです。

 ……で、やっと表現の大枠が定まったこの伴奏について、私は自分なりの確信を与えるべく、夜中に練習を行うことになるのであった。

 相変わらず眠くてしょうがないけれども、こんな生活も今夜限りと思えば、きっと耐えられるさ…… きっとね……


2001年5月26日 (土)

 さあ、いよいよ本番の日がやって来てしまいました。
 時間が無いながらも精一杯やった成果をど〜〜んと思い切って弾いてこようと、勇んで出掛ける。
 でも、昨日の夜は余りに眠くて充分に練習時間を取れなかったのはここだけの秘密である(笑)

 JR京橋駅から少し出たところで待ち合わせのはずだったのだが(あちらが迎えに来てくれることになっていた)どうも情報が噛み合っていなかったらしく、携帯電話で話しながら誘導してもらうという恥ずかしいことになってしまったのもここだけの秘密だ(爆笑)

 学校に着くと、PTAの方や校長先生教頭先生をはじめとして、色々な方々が丁寧にご挨拶をして下さって、恐悦至極という感じである。……ますます失敗出来なくなってしまったということでもあるな(^^;;。

 挨拶の後は、リハーサルをさせて頂く。おぉ、新しいC7だ。すごいすごい!

 大体において新しいピアノというのはまだ楽器が充分慣れていないので余り音が響かないことが多いのだが、今回のはそうした心配は杞憂に終わるほど高らかに音を響かせてくれました。よかったよかった。

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 そしていよいよ本番である。
 せっかくだから、プログラムの曲目を列挙してみることにしよう。

開明中学・高等学校 校歌
バッハ作曲/グノー編曲 : アヴェ・マリア
スカルラッティ : すみれ (以上2曲が歌曲)
リスト : 愛の夢第3番
シュルツ・エヴラー : ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」による演奏会用アラベスク
シューマン : トロイメライ
レスピーギ : シチリアーノ
ショパン:ノクターン第2番
ショパン:英雄ポロネーズ
****:宵待草 (アンコール)
ショパン:猫のワルツ (アンコール)

……とまあ、こんな感じである。

 演奏の出来に関しては、自分としては……80点というところかな。それなりの演奏は出来たと思います。実際にお聞き頂けないのは残念ですが(笑)。

 そういえば、さすがに中学生以上になると演奏中も非常に静かに聞いてくれて集中を乱されることも無かったのは流石というか、もっともそれはマナーとして当たり前という気もするのですが、聴衆が聞くことに集中しているのを感じられるのは弾き手として嬉しいものです、何にしてもね。

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 終わってからは色々な人が感想を聞かせてくれた。「思わず聞き入ってしまいました」 なんて言ってもらえると、睡眠時間を削ってまで仕上げた苦しかった練習も報われるというものです。

 でもここで白状してしまいますが、アンコールの曲を決めたのは二日前で、それも今その曲がちょうど大学の前期試験曲の一つになっていたので、レッスンのときに学生相手に手本を見せつつそれとなく練習できたからというのはここだけの秘密である(爆)。

 また、「トロイメライ」は結局全く練習できずに、本番前のリハーサル1回だけしか練習しなかったというのは絶対にここだけの秘密である(核爆)。

いやまあ、結局のところはどれだけ練習したのか、ということではなくて、本番でどれだけの演奏が出来たか、というのが一番肝心 なのである。極端な話、全く練習していなくたって当日バッチリと弾ければそれでいいのである。……そんなことは不可能に近いけどね(^^;;;;;;。

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 長く辛い戦いは、終わった。これでやっと、……休めるのだ……。……今夜は

 その前に、帰ってまだ今日の分のレッスンをしなければならない。

 …………ピアニストというのも、全くもって因果な商売であることよなぁ……(-_-;;。


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