パネルシアター
きっちょむさん話
きっちょむさんを漢字で書くと、吉四六さんです。吉四六さんは、大分県に昔住んでいた人です。頓知に長けてとぼけたところがあり、たくさんの話が残っています。吉四六さんを最初に知ったのは、私が小学校の頃かと思います。大分の人だとは知らず、日本全国に吉四六さんがいるような感じを受けていました。
それもそのはずで、大分から出た話が全国に広まり、また面白おかしくたくさんのトンチ話が戻ってきたのですから。寄せては返す波のように、吉四六さんの話は絶えることなく膨れたのです。それは第一に吉四六さんに愛嬌があって、人に好かれる魅力があったからです。吉四六さんの話は、200あるとも300あるとも言われています。ここでは、申し訳ないほどのほんの一部をパネルシアターにしてみました。
吉四六さんと庄屋さん
吉四六さんとごさくどん
きっちょむさんとは
1、村一番のとんちもの吉四六さんと庄屋さんの、ユーモアあふれる知恵くらべのはじまり、はじまり。あっと驚くとんちのかずかず。
2、とんちもの吉四六さんの今日のお相手は、けちんぼのごさくどんや、あまのじゃくじいさん。さあ、負けられませんよ。
3、吉四六さんと、とんちくらべをしたおとのさまはビックリ。なんと、たわらの中から、こしのまがったおばあさんがでてきたのです。
●カラス売り
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キジを売ると見せかけてカラスを売るきっちょむさん。買う人の心理をつくお話です。
「ところで、その鳥は何ぼな?」
「一羽、10銭です」
「ほう、それは安い。一羽売ってくれ」
と言って、雉を売らずに烏を売ってしまいます。
カラスの卵は何色?
「カラス売り」の台本
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●魚の名前
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昔、大分県野津村であった出来事です。道端に赤い魚が一匹落ちていました。村人たちが次々集まり、魚の名前でいい争いをはじめます。
「まだぴんぴんしているから、アカピンピラピンという名に違いねえ」とか言い始める者。ある者は「ぬるぬるしているから、アカヌンヌラヌンだ。名前を知っているおらが持って帰るだ」という始末。そこへ偶然、きっちょむさんも通りかかります。結局きっちょむさんが、ちゃっかりその魚を手にいれるという話。
こんな憎みきれないきっちょむさん登場するものだから、パネルシアターだけに終わらず、人形劇や演劇にも幅広く吉四六さんの姿を見ることがあります。その地域の名産にもちゃっかりラベルになって登場することもあります。
パネルシアター「魚の名前」の台本
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●星とり
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夜空の星を取って、大金持ちになろうと、きっちょむさんは屋根に上ります。そして、☆を落とそうとしますが、手が届きません。
今度は箒で星を落とそうとするきっちょむさんです。そのひょうひょうさが面白い!
桂男の夢
新しい星を発見
「星とり」の台本
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●きっちょむさんの水がめ
パネルシアター「水がめ」の台本
きっちょむさんの家の水がめが割れて、きっちょむさんはかみさんに買ってきてほしいと言われます。きっちょむさんは瀬戸物屋で手ごろな水がめを見つけて買って帰って来るのですが、かみさんが気に入るもの(本当はもう少し大きい水がめ)ではなかったので、もう一度買いに出かけます。きっちょむさんは、知ってか知らずか、はじめに買った小さな水がめを大きな水がめにすりかえてきます。
普通はここで話は落ち着くのですが、パネルシアター「きっちょむさんの水がめ」では、竹垣の仕事のことで夫婦喧嘩になり、うつるうつらないの短いお話が続いて、パネルシアターの「水がめ」としてまとめられています。
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