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じゅげむじゅげむ

  1. 落語の寿限無をパネルシアター用に脚色しました。
  2. 台本にはト書きがあるので演じやすくなっています。
  3. 寿限無寿限無、・・長久命の長助は、「寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポパイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」の意味です。

 むかし、仲のいい夫婦がいました。夫は大吉と言い、かみさんはカメと言いました。二人には、長い間こどもがいませんでしたが、やっとこどもができました。
「あんた、今日はこの子のお七夜だよ」
「何だい、お七夜って」
「生まれて七日目に、こどもに名前をつけることですよ」
「そうだったなあ。まだ名前をつけていなかったな。福がいっぱい舞い込むように、俺とおんなじ大吉はどうだい」
「それじゃあ、子どもの大吉呼んでいるのに、あんたも返事をしないといけなくなるよ」
「そうか。じゃあ、この子が長生きできるように、鶴は千年というだろう。鶴吉はどうだ」
「そんなの嫌ですよ。私がカメなんですから。鶴は千年亀は万年と言うじゃありませんか。私より先に死ぬのは、親不孝ですよ」
「二人で、ああだこうだと言っているより、ものしり寺の和尚に相談しに行ってくる」
「長生きするいい名前つけてもらってくださいよ」

筆

 ということで、大吉はものしり寺に行きました。
「ごめんください。和尚さん、いらっしゃいますか?」
「やあ、大吉さん、久しぶりだね。どうしたんだい」
「ええ、名前をつけてもらおうかと思ってやってきました」
「ほほー、戒名とな。死人でも出たか」
「縁起でもない。俺とカメの間にこどもが生まれたんです。それで子どもの名前をと」
「それは失礼した。おめでたいことだ。で、どんな名前が望みじゃ」
「元気で長生きする子になってほしいと」
「ちょうど今、お経を読んでいてな。寿限無という言葉が出てきた。よろこび事限りなしと書いて、長寿の意味じゃ。どうじゃな」
「それだけで長生きするんですか。心配だなあ」
「それでは、寿限無寿限無ではどうだ。無限の無限に長生きをする」
「家に帰って、カメがそれでうんと言うかどうかわかりません。絶対うんと言うような名前、他にありませんか?和尚さんがご存知の長寿の名前全部教えてください」

 ということで、和尚さんは、知恵を絞って長生きする名前を考えました。
「そんな長い名前、家に帰る途中で忘れるといけないからと、和尚さん、その名前を紙に書いてください」
「じゃあ、これを持っていきなさい」
 大吉は、紙に書いてある名前の説明を一通り受け、家に持って帰りました。
「あのような長い名前で、本当によかったんじゃろか」
 和尚さんは、ため息をつきました。

寿限無(巻紙)

「おーい、カメ。今かえったぞ。ただいま」
「お帰りなさい。それで、どんな名前をつけてもらったんだい」
「途中で忘れるといけないから、この紙に書いてもらった」
「早く見せてくださいよ」
「長寿の名前を全部つけてももらった。うちのせがれは、『寿限無寿限無、・・長久命の長助』って名前だ。はあはあ・・」
「はあはあ、聞いているこっちも息が苦しくなったよ。でも、この名前が長生きする名前なんだね」
「そうだ」
 というわけで、長生きするおめでたい名前を、その日大吉とカメは、自分たちの子どもにつけることが出来ました。

 名前の効力はいかばかりか、大吉とカメの子どもは、大怪我もなく大病もしないですくすく育ちました。
「あの子ったら、まだ布団にもぐりこんで寝ている。寺子屋に行く時間だというのに」
 寺子屋というのは、今で言う小学校や塾のようなもので、読み書きそろばんと言って、寺子屋で本を読んだり、字を書いたり、数の計算の仕方を勉強します。
「これ、早く起きなさい。寿限無寿限無、・・長久命の長助、寺子屋に行く時間だよ」
「寺子屋に持っていく本を用意してくれたら行く」
「しょうがないねえ。いつも私が用意しないと起きないんだから」
「はい、本は用意したよ。寿限無寿限無、・・長久命の長助、早く起きなさい」
「今日は習字もあるから、筆と硯もいるよ」
「いるよって、また用意させる気かい」
「はい、筆と硯もちゃんとあるよ。寿限無寿限無、・・長久命の長助、はあはあ、今度こそ起きなさい」
 ようよう布団から頭を出しました。
「やっと、寺子屋に行く気になったんだね」 まだ布団の中
「あれえ、そろばんがない。母ちゃん、そろばんは?」
「そんなの知らないよ。あ、父ちゃんが使っていたかも。あんた、あんたー」
「そんな、大声出して、何の用だい?」
寿限無寿限無、・・長久命の長助が、はあはあはあ、寺子屋で使っているそろばん知らないかい」
「昨夜おまえが使っていただろう」
「あ、そうだったそうだった。忘れてた。はい、そろばん。やっと全部揃った。これで、寺子屋に行けるでしょ」
「今おまえ何て言った?」と大吉が聞き返した。
寿限無寿限無、・・長久命の長助が、その長助が、はあはあはあ、寺子屋に行けるって」
「行けないよ」
「ど、どうして?」
「それはね。おいらの寿限無寿限無、・・長久命の長助って名前を言っているうちに、寺子屋がおわっちまたんだよ。ねえ、父ちゃん」
「そう、終わっちまったの」
 終わっちまったということなので、パネルシアターのじゅげむじゅげむのお話も、これでおしまい。


寿限無は発声練習にもなる
大吉とカメの子ども、寿限無の名前を言うことで発声練習になる。このパネルシアターの台本を読むことで自然と発声練習になります。複式の呼吸法を覚えて発声するとより効果があります。早口に言うのもいいですが、息を継がずに一息でいうこともいいです。

ところでいっぱい息を吸って一息で言おうとするのではなく、まずははききって吸ってからの息で言います。「呼吸」という漢字を見てください。息をはいて息を吸うとなっています。だから深呼吸のとき「吸って〜、はいて〜」と言っていますが、運動の最後の深呼吸は「最後は深呼吸で終わります(これを聞きながらはききります)。吸って〜、はいて〜」で深呼吸します。これが本当の深呼吸です。

参考:
発声練習にもなる寿限無
早口言葉:今日の狂言師
早口言葉:瓜売り
忘れることのメリット

子ども落語集 親子できこう 子ども落語集
落語の楽しさをもっと身近に子供たちにも感じてもらいたいという想いをもとに、初めて子供向けに作られた落語CD。
ディスク枚数: 2、レーベル: 日本コロムビア、収録時間: 108 分
ディスク:1「寿限無」「転失気」「化物使い」
ディスク:2 「そば清」「死神」

NHK「にほんごであそぼ」じゅげむ編
曲目リスト
1. じゅげむのテーマ
2. 寿限無寿限無・・
3. 蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ
4. たあぷぽぽたあぷぽぽ ちりからちりからつったっぽ
5. おっと合点承知之助
6. 驚き桃の木山椒の木
7. いちじく にんじん さんしょに しいたけ・・・ とうがん
8. ちゅうちゅうたこかいな
9. 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
10. 隣の客はよく柿食う客だ
11. 赤巻紙青巻紙黄巻紙
12. 何か用か九日十日 嘘を築地の御門跡 その手は桑名の焼蛤 恐れ入谷の鬼子母神
13. せりなずなごぎょうはこべらほとけのざ すずなすずしろこれぞ七草
14. 犬が西向きゃ尾は東
15. はじめちょろちょろ なかぱっぱ 赤子泣いてもふたとるな
16. てんてんつけましょ でんでんでん!
17. 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌
18. 生麦生米生卵
19. 坊主が屏風に上手に坊主の絵をかいた
20. 睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走

落語「寿限無/柳家喬太郎
長屋の熊さんに子どもが生まれて、その子に名前をつけてほしいと、隠居さんが相談を受ける噺。

長い名前の人

 世界に目を向けると、長い名前の人がいます。画家のピカソもその一人です。ピカソの名前は「パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」が本当の名前です。 「ルイス・イ・ピカソ」というのはお父さんの名前で、後に長いからかどうかは知りませんが、「パブロ・ピカソ」になったそうです。

 落語の寿限無のお父さんは、田中辰五郎という人らしい。パネルシアター「じゅげむじゅげむ」では、父は大吉、母は亀です。落語風ピカソ流でいくと「田中長助」が本来の名前になるのかもしれない。それにしても長い名前です。川でおぼれているこどもを助けようとその子の名前を呼んでいるうちに、その子が死んでしまったと言う話もあります。寿命が長かったと言う話ではなく、名前が長かったと言うオチですね。

外郎売 (声にだすことばえほん)  寿限無は、子どもたちの間で早口言葉として言われることもあります。言葉遊びとしてテレビで取り上げられたり、こども落語として紹介されることもあります。 遊びとしての早口言葉という意味合いもありますが、早口言葉を言うことによって滑舌がよくなる。 「バス、ガス爆発(3回早く言う)」「東京都特許許可局」などです。 演劇などでは、「外郎売(ういろううり)」が馴染みが深い。外郎売は長くて時間が取れないときは、「こんきょう寺」もいい。

テキスト動画:
「こんきょうじ/琴線和歌の糸」
「五十音/北原白秋」
「外郎売/若緑勢曾我」は、歌舞伎十八番の一つ。

音声動画:
「外郎売/若緑勢曾我」(音声)

Microsoft Word Online:
外郎売/若緑勢曾我
こんきょうじ/琴線和歌の糸
五十音/北原白秋

参考外部リンク:役立つ発声練習

落語絵本 四 じゅげむ じゅげむ 5分で落語のよみきかせ じゅげむ―家族や長屋の人たちのお話 ジュゲム~こち亀バージョン じゅげむ JUGEM From Rakugo
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