台本例「しりとり動物園」
では、実際のパネルシアターの台本を見てみましょう。
(演者は下手に立っている)
解説:
自分で作って自分で演じるときは、台本は要らないかもしれません。頭の中に台本を書いておけばいいですから。でも、誰かといっしょにするときは、台本を作ります。ト書きもそんなにたくさんいらないかもしれませんし、相手が新人だと、詳しく説明がいるかもしれません。(ゴリラ登場)と書いても、上手か下手かわかりません。演じる人に任せるのならそれでもいいでしょう。 台本は、びっしり字をつめないほうがいいものです。ある部分の効果音を入れたいとします。それを書き込む余白をあらかじめ残しておきます。 この台本は、一人で演じるようになっています。でも、二人で演じることも出来ます。ライオンは「ん」が付くので退場しますが、このあとラクダ、ダチョウと出てきますから、出てきた動物の数で演じることも出来ます。元の台本があっても、さらに脚色されるのが台本の運命です。 台本には、はじめ方や終わり方が書いていません。それは、観客によって変るからです。ですから普通台本の通り演じて終わることは稀です。特にパネルシアターではそうなります。このパネルシアターのあとに、『しりとりの特訓』と称して、動物のしりとりをみんなでするかもしれませんし、"ん"を誰かが言ったりして、次の動物の名前が出てこなかったりすれば、「まだまだ修行が足りん。今日はここまで。残念!」と言ったりして終わるかもしれません。 台本通りに演じたのでは面白さは半減します。台本は、演者と絵人形の対話になっていますが、こども達と一緒に考えながら演じることが大切です。それが練習と本番の舞台との違いになります。本番の練習というのはありませんから、練習に工夫が必要です。本番に見立てて、誰か親しい人に見てもらうとか、それでも本番は経験できませんから、経験を積むしかないです。ダチョウの次にウサギが出てこずに、客席がウシと言ったら、予定の動物が出てくるようなテクニックも必要ないなってきます。 台本はあくまで基本的なことしか書かれていませんので、書籍の文章には行間があるように、何か書かれています。台本は、その行間が必要以上の広いですから、より多くのものが書かれていると思って間違いありません。何がかかれてあるのか、同じ台本で何度も舞台を踏まないとわかりません。
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