パネルシアター
アナンシと五
あらすじ
人間のようでもあり蜘蛛のようでもあるアナンシが、魔女の呪文を利用して、動物達を食べてしまいます。しかし、うっかり自分もその呪文にひっかかってしまいます。
物語
むかし、ジャマイカの島に、人間のようでもあり蜘蛛のようでもあるアナンシというものがおりました。アナンシの家の隣には、魔女が住んでいました。この魔女の名前は、五(ご)と言いました。
魔女は、自分の名前である五という名前が大変嫌いでした。
みんなに五と言われるたびに、「いつかこいつを懲らしめて、五という名前を言えなくしてやる」と思っていました。
そんなある日、魔女は、
「よし、こうなったら、みんなに呪文をかけてやる」
と、決心しました。
その様子を外からうかがっていたのは、アナンシでした。
魔女は、大きな壷を用意して、その中にトカゲのしっぽやカエルの足を放り込み、島で採れる毒草をいっぱい入れ、煮炊き始めました。
「さあ、もっとぐつぐつ煮えたぎるのだ」
そして、何やら呪文を唱え始めました。
「むにゃむにゃむにゃ、これより後、私の五という名前を言ったものは、石のように固まってしまえ。もう二度と歩き回らぬように、もう二度と口が動かぬように。さあ、呪文の湯気よ、島中に届け。むにゃむにゃむにゃのむにゃ」
アナンシは、「これは、使えるぞ」と思いました。
アナンシは、畑から大きなサツマイモを五つ掘り出してきて、道端に並べました。
「誰かやってこないかな。やってきたら、呪文を利用して、そいつを食べてしまうんだが」
ちょうどそこへ、アヒルがやってきました。
「こんにちは、アナンシさん」
「困った、困った、困った」
「どうしたの? 何かあったの?」
「実は、畑から芋を掘り出したんだが、いったいいくつ掘り出したのかわからないんだ」
「そこにあるお芋のことね。私が数えてあげましょうか?」
「ああ、それは助かった。数えてくれるかい」
「いいわよ。1、2、3、4、5」
アヒルは、あっという間もなく、その場に倒れて動かなくなりました。
アナンシは、ぺろりとアヒルをまるのみにしてしまいました。
「この呪文は、まだまだ使えそうだ」
アナンシは、次の獲物が通るのを待っていました。
今度は、ウサギがやってきました。
「こんにちは、アナンシさん」
「やあ、こんにちは」
「この辺でアヒルさん見なかった? 一緒に買物に行く約束していたんだけど」
「アヒルさん? 知らないね。それより、助けてくれないかなあ?」
「どうしたの?」
「実は、畑から芋を掘り出したのはいいが、数え方がわからないんだ。いったいここに、芋がいくつあるのか、・・・」
「じゃあ、私が数えてあげましょう」
「それは、助かった。お願いするよ」
「じゃあ、数えるわよ。1、2、3、4、5」
ウサギもその場に倒れて固まってしまいました。
アナンシは、腹ぺこのおなかに、ぺろりとまたまた飲み込んでしまいました。
「まだ、満腹にならん。誰かまたやってこないかなあ」
次にやってきたのは、ハトでした。
「こんにちは、アナンシさん」
「やあ、ハトさん、こんにちは」
「何しているの、こんなところで」
「実は、掘り出した芋の数を数えているんだが、数え方がわからなくてねえ。ハトさん、数え方わかる?」
「そんなのお安い御用よ。このサツマイモね」
「じゃあ、数えてみて」
ハトは、サツマイモの上に飛び乗ると、
「1、2、3、4。そして、私が乗っかっている分」
「いやいや、そうじゃないんだ。も、もう一度だけ、数えてみてくれる?」
「1、2、3、4。そして、私が乗っかっている分」
「あ、あのね。そうじゃないんだって、数えるって言うのはね、こうするんだ。ほんとにバカなハトなんだから。ちゃんと聞いておくんだよ。1、2、3、4、5」
アナンシは、その場に倒れて動かなくなってしまいました。
(パネルシアター「アナンシと五」原作)
パネルシアター「アナンシと四」
原作「アナンシと五」
童謡カラオケ「そうだったらいいのにな」
不思議な動物「カモノハシ」
パネルシアター「アナンシと五」の台本
アナンシのお話はアフリカで生まれ、世界中に広まりました。このお話は、ジャマイカに定着して、また世界中に広まり、日本にも届きました。このお話に出てくるアナンシは、悪いアナンシですが、中にはいいアナンシのお話もあります。ちょうどトロル(トロール)に悪いトロルといいトロルがいるように。悪いトロルは「三匹の山羊のガラガラドン」に出てくるトロルでしょうか。いいトロルは、「となりのトトロ」のトトロ(トロル)じゃないでしょうか。
私の好きなトロルは、とてもきれい好きで、とても美しいトロルの家族です。しかし、人間の目を通すと、とても汚くて醜いトロルの家族です。この手法は、手塚治氏の「火の鳥」にも使われていました。いつか私もこの手法を使った人形劇やパネルシアターを作ってみたいと思っているのですが、20年以上たった今でも作れないでいます。ネタはいっぱいあるに、なかなか形にならないのが現実です。
レゲエをよく知らない人でもボブ・マーリィという名前を知らない人はいないだろう。
世界にレゲエを知らしめたこのカリスマ、ジャマイカン・ミュージシャン。
そのボブ・マーリィ&ザ・ウェイラーズのキャリアはスカ時代まで遡る。ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーのおなじみのメンバーに加え、デビュー当時には女性コーラス2人と男性コーラス1人が参加していた。
<スタジオ・ワン>から発表されたデビュー曲「シマー・ダウン」でのキレのいいヴォーカルとルード・ボーイを気取ったクールなサウンドは、たちまちジャマイカ中のチャートを席巻。
アメリカンR&Bやドゥ・ワップを意識したポップ+キャッチーな彼らの曲は熱狂的に支持され、あっという間にスターダムにのし上がっていった。
ちなみに、後にセルフ・カヴァーして世界的大ヒットとなった「ワン・ラブ」も初めはスカ時代にレコーディングされた曲。
映画「ジャマイカ楽園の真実 LIFE&DEBT」
“カリブの楽園”ジャマイカの知られざる真実を、音楽や文化、歴史的背景など様々な側面から迫ったドキュメンタリー映画。
製作・監督: ステファニー・ブラック
音楽: ボブ・マーリィ/ジギー・マーリィ/ピーター・トッシュ/ムタバルーカ/アンソニー・B など
映画「クール・ランニング」1993
出演: リオン, ダグ・E・ダグ, ジョン・キャンディ
監督: ジョン・タートルトーブ
1988年冬季オリンピックにボブスレー競技で挑んだ南国ジャマイカ・チームの実話を映画化した傑作コメディドラマ。
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