パネルシアターの舞台の大きさは、千差万別です。観客が多いとそれにあわして大きな舞台を使い、絵人形も大きくする必要があります。この考え方は、紙芝居や人形劇などの舞台の考え方と共通する部分です。当人形劇団で販売しているパネルボードの大きさは、指定がなければ通常60×90cmです。観客を100人以内と想定してのことです。販売しているパネルシアターの制作キットも、その想定です。これは、当人形劇団のコンセプトにも関係することですが、パネルシアターを演じるときには、観客の一人一人の顔が見えて、観客の声を拾うことができる場面を想定しているからです。100人の中の一人の声なら聞こえますが、300人の中の声を拾うのは困難です。誰が言ったのか探すのも大変ですし、300人のこども達の一人一人の表情をつかむのは難しいです。ということで、舞台の大きさは、その演出によっても大きく左右されるものです。ちなみにプロジェクターを使えば、1万人の前でもパネルシアターを演じることができます。
家庭では、炬燵の天板も利用できます。裏にして斜めに立てかければいいでしょう。裏の緑の毛羽立ちが利用できます。天板は重いので、その分、毛羽立ちも少なくなります。タオル地を張れば代替ができます。 パネルボードに張るネル生地は、最初から貼っておくこともできますが、汚れやすいので気をつけましょう。準備のとき張るようにするのであれば、板とネル生地にマジックテープをつけておけば便利です。張った後にクリップやガムテープで固定する方法もあります。ネル生地の端に、紐やゴムを付けておき、引っ張るようにしてもいいでしょう。
パネルシアター公演に便利な、パネルボード(白と黒)とイーゼルのセットです。 ■パネルボード(白) 80×110×厚さ1cm,600g ■パネルボード(黒) 80×110×厚さ1cm,600g ■パネルシアター用イーゼル 82×45×最大奥行60×3.3kg 参考:パネルシアターの舞台一式(当劇団で取り扱っている舞台) 広がる舞台
平面の絵人形だから面の広がりしかないように思いますが、遠近感技法を利用すると、奥行きも出てきます。ですから、舞台の大きさは、ボードの大きさではなく、そのボードの延長でもなく、ボードの奥や手前も舞台になります。そうのような考えの元に立つと、絵人形が小さくても、それを大きく見せることも、逆に大きな絵人形でも、小さな舞台になってしまいます。 パネルシアターの舞台は、パネル板の世界を見せるのではなく、それを取り囲む演者も含めて舞台と考えます。パネル板の後に隠れて演じている人がいますが、パネルシアターの小ささを見せているようなものです。パネルシアターの舞台は、想像以上に広がりがある大きな舞台です。 文字にすると今ひとつわかりにくいですが、講習会などではもっと詳しく説明させていただいています。あなたの舞台に関しての考えが、180度変るかもしれません。そうすると、今やっているパネルシアターが、もっと奥行きのある広がりのあるパネルシアターになるかもしれません。パネルシアターの可能性を、舞台から見ることができます。
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