お料理パネルシアター
カレーライス演じる人が、客席とやり取りをしながら進めるパネルシアターです。鍋を出して、中に入れる材料の名前を客席から拾います。「カレーライス、カレーライス、カレーには何を入れましょう?」といった後に、たとえば、ニンジンが出れば、絵人形のニンジンを出します。同じような手順でたまねぎ、ジャガイモもだします。肉が出たら、牛肉と豚肉どちらがいいか聞いて、牛肉のカレーがいいといえば、そのパターンで演じます。カレールーを入れて、リンゴも入れて、鍋のふたをしてコンロの上に乗せます。「カレーライス、カレーライス。ぐつぐつくつくついい匂い。できたかなまだかな、ふたを取ってみてみましょう」と言ってふたを取るとカレーができています。通常1回目はできていなくて、2回目でできている演出をします。そのほうが、観客の驚きは倍になります。「おいしいカレーの出来上がり」で終演です。 ここで使われるパネルシアターの技法は、ポケットと重ね貼りです。鍋がポケットになっていて、そこにカレーの材料が入ります。鍋は材料がたくさん入るので重くなるし、鍋を落としてはパネルシアターが台無しになります。鍋の裏は全面がコットン紙です。ふたの裏にもカレーを重ね貼りして、そのカレーにもコットン紙を裏打ちしておきます。これらは軽いので、コットン紙の帯を貼るだけでずり落ち防止の効果があります。制作キットには、作り方の説明書と台本が入っています。はさみとボンドがあれば、簡単に完成することができます。完成品は、文字通り台本を覚えればすぐにでも演じることができます。 ときどき、子どもたちは、作るのを手伝ったのだから食べたいと言います。コンロにかけ過ぎたので、冷やしときますと言って、できたカレーを片付けます。または、カレーはできたけれど、ご飯の用意ができていないので、ごめんなさいと言って片付けます。 和歌山で毒物カレー事件(1998年7月25日夕方の夏祭り)があったとき、しばらくこの演目を上演することはなかったです。パネルシアターと事件は全然関係ないのに、上演を余儀させられることがあります。神戸の「酒鬼薔薇事件(1997年)」のときも同様です。人形パフォーマンス「フランケン」の演技が、事件を連想させるということでしばらく控えていました。人形劇やパネルシアターと社会で起こることは直結しないのですが、子どもたち忍び寄った闇に便乗して誘導することはあってはなりません。 かくしてやっぱりカレーライスは、こどもから大人まで大好きな人気メニューに変わりありません。みんなで作るカレーは、ひときわおいしいものです。あなたも、一緒にカレーライスを作りませんか?
パネルカレーの歌 YouTube:パネルカレーの歌(全 5番)
カレーライス カレーライス
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単に台本に書いてある台詞をしゃべるよりも、歌うように台詞を言うと、そのお話にリズムがついてきます。カレーライスのパネルシアターも、カレーライスの歌を台詞に盛り込みながら行うと単調になりません。こどもたちは「カレーライス、カレーライス」の部分が耳を離れないものだから、またやってほしいときは、「あのカレーライス、カレーライスまたやって」と言ってきたりします。 ほかにも、『魔法の臼と杵』もぺったんぺったんぺったんこが、 『南京玉すだれ』では、あっさてさてが耳に残るようです。 カレーライスの作り方「カレーライス」の作り方と上演1、絵人形が描かれたPペーパー5枚と、鍋の裏に貼るコットン紙1枚を用意する。
2、2枚合わせのものは、貼り合わせてからハサミでちゃんと切ります。 牛の顔と牛肉、豚の顔と豚肉。表裏形が違うので透かして切り取ります。 その他鍋以外の絵人形は、余白を1cmぐらい残して切り取ります。 3、鍋は開口の手前側をカッターで切り込みを入れます。 ここからカレーの材料が入るようになります。 コットン紙は表が毛羽立っているので、コットン紙裏と鍋の裏を貼りあわせます。 余白部分と開口の手前上側だけにボンドをつけて、あまったコットン紙は、後で使うので大事にとっておきます。 4、余白を作らない絵人形があります。カレーの周囲、鍋のふたの下側、リンゴの葉っぱの下側、コンロの上側です。 余白をなるべく少なくしたいのは、パーティ炎の上側です。取りすぎると変に鍋とパーティ炎が離れてしまいます。 5、リンゴの葉っぱがついた枝を差し込めるように、リンゴの上側のふちにカッターで切り込みを入れておきます。 鍋には、枝を抜いてから入れます。 6、余ったコットン紙を2×5cmぐらいの帯にして、コンロの裏とカレールーの箱の裏に貼っておきます。 鍋のように全面にはる必要はありません。少し貼っておけばずり落ち防止になります。 カレーとふたの裏にも、コットン紙を貼っておきます。 7、はさみとボンド、カッターがあればカレーライスのパネルシアターを完成させることができます。 あとは、台本を読んで何度か練習をして、本番に臨みましょう。 8、カレーの材料には、目や口がありませんが、マジックで描いてもいいでしょう。 たまねぎの顔ができたら、名前をつけてあげましょう。 たまねぎの「たまちゃん」とか、ジャガイモの「ジャガジャガちゃん」とか。 カレーの材料を擬人化することによって、感情移入を容易にします。 ※台本や絵人形は、随時推敲改良されていっています。ここに掲載のものとは、現在のものとでは、若干違うところがある場合がございます。 パネルシアター「カレーライス」イメージ動画
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