紙芝居ノート5 抜き
kamishibai 紙芝居
1舞台 2脚本 3絵 4台詞 5抜き 6歴史 7回想
5、抜き
紙芝居は、演者の語りと絵の抜きの技術がすべてだと言っても過言ではありません。紙芝居が立絵から平絵に移行した時に、この抜きが重要になりました。ゆっくり抜く、早く抜く、揺らしながら、回しながら、途中で止めて抜くと、いろんな抜きかたが場面ごとに使われて、その効果を発揮します。 絵の中では登場人物は動かないでいるのに、この抜きを駆使することによって、跳んだりはねたり、滑ったり走ったり、のっしのっしと歩いたり、途中で止めることによって、絵にはない新しい場面が生まれたりします。また、数は少ないですが、絵を差し込むとか、開くとかという手法を使ったものもあります。新しい紙芝居のお話が生まれれば、そのお話にあった新しい抜きも生まれます。抜きの技術に終わりはありませんので、鏡に映したりして工夫する余地はたくさんあります。
まず、臨場感が違うでしょう。映画をテレビで見るより、映画館に行って、大きなスクリーンで観たほうが、迫力があり、圧倒的なその臨場感を体感できるでしょう。紙芝居や人形劇も同じです。テレビのようにその場面をズームすることはできませんが、脳の中でズームされます。生の舞台というのは、そういう不思議なことが経験できる場所です。 紙芝居のことを「昔懐かしい」と表現する方がいますが、その時、その会場で見た紙芝居というのは、何ら懐かしいものではないのです。今、現実に演じられている生の舞台なのです。懐かしさを覚えることはあっても、今そこにある紙芝居は、全く新しい紙芝居のなのです。 今の世の中は、テレビやラジオに慣れ親しんだ社会です。再放送すれば、何度も同じ映像を流せるテレビや、巻き戻せば、何度でも同じ映像を再生できるビデオとでは、生の舞台の役割は全く違います。巻き戻しはできないのです。同じように演じているように見えても、実際は違うものです。時間の巻き戻しは、生の舞台にはできないことです。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、演技者は真剣勝負と思っています。録画編集できるものと、生放送の後戻りできない緊張感は違うでしょう。
お囃子では重要な楽器の当り鉦(チャンチキ)です。真鍮(しんちゅう)を尾も主材とした金属でできています。当り鉦の呼び方は地域によりさまざまで摺鉦(すりがね)、チャンチキ、チャンギリなど、またお囃子の太鼓、締太鼓2人、笛の四人のパートを助けるという意味から四助(よすけ)とも呼ばれます。演奏方法について小さめの鉦の場合、手に持って鹿角でできたバチ(撞木)で中側をたたいたり側面をこするようにして音を出す方法や大きい鉦の場合はヒモ等で鉦を吊り下げて木槌などでたたいて演奏します。紙芝居の効果音として有用です。 真剣でやっている演技者の思いが伝わるのが、生の舞台のよさです。客席と舞台の相乗効果で、さらにライブよさが増します。とっかえひっかえできないのが、生の舞台です。テレビゲームもおもしろいですが、とっかえひっかえできるものに慣れてしまうと、命までリセットできてしまうと勘違いするかもしれません。勘違いしてしまわないように、未来のあるこどもたちには、特に生の舞台を観てほしいです。 パワーポイントで紙芝居を作ったとき
紙芝居「思いやりの鬼」/パワーポイント(PowerPoint)
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