1、絵本が好き!
何はともあれ、基本的に絵本の語り手は、その絵本が好きであることが求められます。しかし、話し手も好き、聞き手も好きというような絵本が、読み聞かせに選ばれるとは限りません。それでも、子どもたちに人気のある絵本を選択する前に、まずは自分のお気に入りを選ぶことが大切です。何かの拍子に文化委員に選ばれて、仕方なく絵本の読み聞かせをしているかもしれません。そういう方は、この先を読み進んでも、役立つ情報はありません。絵本の読み聞かせは、絵本が好きというところから始まっているからです。 その絵本が好きということは、その人が語り手となったとき、感情移入がスムーズになります。聞くほうにも変な違和感が伝わらず、伝えたいことが伝わりやすくなります。また、絵本の個性とあいまって、語り手の個性もでてくるので、その人が肉声で話していることで、さらに強い印象として伝わります。ですから、経験を積めば積むほど、練習をすればするほど、その絵本の良さが出てくるのが、大好きな絵本を使って、読み聞かせをすることなのです。大好きな絵本ですから、自分が感動したことを伝えるという楽しみもあり、その感動を分かち合えた喜びが語り手にも生まれます。語り手の自己満足のように聞こえるかもしれませんが、話し手の心に触れたものは、必ず何人かのこどもたちにも、その心を揺さぶるものです。 絵本「きつねとトムテ」にちなんで、人形劇団の名称を「トムテ」としました。好きな絵本ですし、内容に感銘したから、そうしたのです。たとえ、この絵本の読み聞かせをしなくても、その内容は形を変えて、人形劇やパネルシアターとなって伝わって行きます。直接絵本の読み聞かせをしなくても、違った表現方法で感動が伝わっていくのです。 参考:絵本の選び方は出会い
身近な絵本の読み聞かせ
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