13、作品前後の関連要素 | |
絵本の読み聞かせの留意点
3 絵本の文章の量 4 登場人物(右脳左脳) 5 文字なし絵本 6 親しみやすい絵 7 物語のリズム(様式化) 8 クイズ的要素 9 推理的要素 10 アイテムの違い 11 心理描写 12 作者の思想や哲学 13 作品の前後 14 プログラム(音読と黙読) 15 最後に |
元旦の朝、神様の家の前にきたものに1年ずつ年をやるときいた動物たちは大はりきり。うしの背にのって一番乗りをしたねずみや、道中けんかばかりの犬とさるなど、個性あふれる動物たちを描いた絵本。 参考:
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13、作品の前後に関連要素がある生活に根差した絵本
橋渡しをして読み聞かせ
最初、絵本から離れて話しを進めたり、指遊びなどを取り入れたりすることによって、今日のこどもたちはどんなリアクションをするのか、また聞き手や話し手の読み聞かせ気持ちを、準備する時間を作ります。焦ってはじめる必要はどこにもないのです。はじめての絵本を読み聞かせするときは、話し手の誰もが緊張するものです。聞き手も、始まる前にリラックスした状態になれて、読み聞かせのときに集中しやすくなります。あまり興奮するような手遊びも考えものですが、長い読み聞かせ会なら会全体を見て、その中で緩急をつけることも大事です。 その日の読み聞かせの会のテーマがあれば、それに則した絵本を選べばいいでしょう。もしなくても、また他の絵本を選んだとしても、全体的には一つにまとめるほうが、会が終了したときの満足感が変わります。終わったんだという起承転結が、聞き手の中に生まれます。それには、関連性がない絵本と選んだとしても、何かしら関連性を見つけて次の人にバトンタッチすることが大切です。たとえば、十二支のお話をしたのであれば、その中に辰が出てきますので、「いま、十二支のお話をしましたが、その中に耳の長い動物が出来ていました。覚えているかな。そう、うさぎです。次の紙芝居は、うさぎが主人公のお話です」というように、お話がぷつんぷうんと途切れないように、次の人と交替をします。 でも、そのようなバトンタッチを経験浅い人に頼るのは難しいかもしれません。そのときは、次の人が「十二支の動物には、順番があったんですね。三番目になった動物覚えているかな。そう、トラですね。次のへ絵本は、そのトラと人間の友情を描いたお話です」というように、あとの人がフォローしてつながりを持たせます。そして、最終的にその読み聞かせの会に、いくつもお話が出てきたとしても、ひとつの読み聞かせの会として完結します。そのようなことを言われても、なかなかお話を関連付けて、読み聞かせができないかもしれません。やはりそれには、少し時間がかかります。だけれど、いろんな絵本を知ることによって、絵本のつながりが徐々にわかってきます。飛び出す絵本、触れる絵本、絵のない絵本、動く絵本などなど、今まで考えもしなかった絵本に関する知識を増すことが、読み聞かせの上達にもつながり、読み聞かせの会を成功させる鍵にもなります。 |